わいらぼ

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【入線報告】マイクロエースのED73 22に関するお話。

鳩胸 巨乳 で知られるED72とED73。その独特なスタイリングに私は昔から不思議な魅力を感じ、欲しいと思ってきた機関車の一つでもあった。

そんなある日暇つぶしも兼ねて秋葉原に中古漁りしに行ったら、レールマイスターという店で1650円という破格の値段で売られているマイクロの22号機を発見。
しかもナンバーが黄色に囲われている、所謂「151系牽引対応機」だった。
動力こそ不動だったものの、動力ユニットの分解整備には自信があったのでその場で購入を決意。
店員さんにお願いして試験走行させてもらったのだが…

私:あれ?不動だったはずなのに動いてる…

店員:ホントだ、買い取った時は確かに不動だったのですが…

なんてハプニングもあったものの、何はともあれ購入し自宅で分解整備することに。


模型について

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まずは正面から。この角度から見ても鳩胸かどうかは正直分かりにくい。後継機のED76のように見えなくもない。

1000番台化改造前の形態なので20系用のKE72形ジャンパ線などは設けられていない。

ライトはテールランプにもレンズが入っているのかと思いきや、試験走行してもらったところテールライトはモールドのみでレンズは入っていないことが判明。
KATOの1000番台はレンズ入りだしナンバーのフォントもあちらの方が近いので完成度では一歩上だと思っている。まあ古い製品なのであちらと比較するのもどうかとは思うが。

なんだかんだでこちらも実車のイメージは問題なくつかめているように思える。

カプラーはいつも通りSCカプラー対応のTNカプラーに交換している。

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続いて斜め及び側面から。この角度で見てみてようやくこの車両がなぜ鳩胸と呼ばれるのか分かるようになる。ゆるいくの字を描いたような独特な正面形状こそがこの車両の最大の特徴である。

造形は少しのっぺりしているようにも見えるものの、表記類などそれ以外の部分についてはKATOやTOMIXの新型電機と比較しても何ら遜色はないと感じている。

 

貨物列車や20系の寝台特急の牽引のみを想定してかSGも中間台車も装備しないため、兄弟機ともいえるED72より全長が短く、総重量も20tほど軽い。最もその反面軸重は16.75tとED72より高いため、入線可能な線区が鹿児島本線の北九州地区・長崎本線に限られてしまい、この車両の後々の寿命を決定づけてしまったのだが。

ちなみに、屋上高圧機器の墨入れは私が施工したが、側面のルーバーの墨入れは私が施工したものではなく、前オーナーが施工したものである。

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 ちなみにマイクロのED73、本来乗務員室直下にくるべきの乗務員用ステップが逆側に取り付けられてしまった組立エラーを経験した製品でもある。

マイクロ公式もリコールを発表し修理受付もしたのだが、前オーナーが修理対応してるのを知らなかったのか、それとも修理出すのがめんどくさくてやらなかったのか、そもそも乗務員ステップの位置など一切気にしてなかったのか、エラー対応がされずそのままであった。

今さら修理対応なんてしてないだろうし、走らせてしまえば目立たないから私もそのままにしておく方針だが。

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続いて屋上を見てみる。屋上の高圧機器は前オーナーが塗装したのか、それとも元からこうだったのかは知らないが、銅色に色付けされていた。
私はさらにこの上に墨入れを施工する方針である。


パンタグラフは前オーナーの手によって摺り板の部分が銅色に塗装されていた。

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そのパンタグラフだが、はっきり言ってしまえばダメダメで、上昇させて正常な形に一々整えてやらなければならないのでめんどくさいし、下降時も歪な形にならないように一々調整してやらねばならない。


何よりもパンタグラフそのものがかなりへろへろで、ちょっとやそっとの事で形が乱れてしまうのではないかと心配になる。私がいつも酷評しているKATOのひし形パンタグラフの方が1000倍はマシなぐらいだ。


あまりにもひどいので近日中に至急TOMIXのPS101へ交換する予定である。よって墨入れも施工していない。

 

入線当初は一応動力ユニットが動くには動いたものの、あまりいい挙動ではなかったしギヤ周りから「キィィィィ」と不快極まりない騒音が発生。ギヤ・ウォームギヤにそれぞれKATOのユニクリーンオイルを滴下し、ユニクリーナーで一通り清掃したところ問題なく走行できるようになった。

一応フライホイール付きの動力ではあるものの、KATOやTOMIXのそれに匹敵するぐらい洗練された挙動ではない。それでも不動だったものが問題なく使えるようにはなったので良かった良かった。

実車の運用

ED73は基本的に20系の寝台特急高速貨物列車の牽引を主体としていた。

すなわち、さくら・はやぶさ・みずほ・富士・あさかぜといった東京口からの寝台特急と、コキ10000・ワキ10000・レサ10000等で組成された高速貨物列車を牽引させればいい。「KE72とかないから20系は牽引できないんじゃないの?」と疑問に思う人もいるかもしれないが、20系の110km/h対応改造が施工されたのは1968年以降で、それまでは従来客車同様ASブレーキのみとしていたため何ら問題は無いわけだ。


更に22号機はナンバーを黄色で囲った151系牽引対応機のため、サヤ420を介して151系の牽引もできるし、マイクロから木箱入りの製品で発売されたこともある。KATOの151系とサヤ420の種車も探さねば…

暖房のいらない時期はED72と共通運用を組まれた時期もあったらしいので旧型客車による急行・普通列車も牽引できるとは思うが、未だにED73が旧型客車を牽く写真は見つけられていない。知ってる方情報提供お願いします…(n回目)

まとめ

台車枠取付ミスによる乗務員ステップのエラーや、例によってへなちょこなパンタグラフなど色々問題もある製品だったが、総合的に見てみるとその出来栄え自体は決して悪いものでは無く、何より151系牽引対応機だったので私が鉄道ファンの2007年2月号で見たあの光景を再現できる車両がそろったのはうれしく思う。

さて、次はこいつのお供を探してやらんと…とりあえず151系とサヤ420は必要かもね。