わいらぼ

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【入線報告】鉄コレの京阪80型(2代目)に関するお話


前から「京阪で一番好きな車両は?」と言われると、初代3000系、2代目3000系、そしてこの2代目80型は絶対に外せない存在だった。

その外観もさることながら、吊り掛け車にも関わらず3.2km/h/sという高加速性能、路面電車車両としては平均以上の高速性能、66.7‰の急勾配も難なくこなす登坂性能、そして他励界磁制御による定速制御・回生制動まで全部入りのとんでもない性能には魅力しかない。

 

鉄コレとして製品化されていたが、オープンパッケージでの製品化に合わせて専用の動力ユニットも発売されるなど中々に気合いの入っていた。いつかは欲しいと思っていたのだがずっと後回しになってしまい中々買う機会が無かった。

 

この車両を入手したのはちょうど記事執筆開始時点から4日前。川崎のぽちはずっと行って無かったし、ポポンも久しく行って無かったので川崎地区の貨物線を一通り散歩してきた帰り際に寄った際、ぽちで偶然ジャンク品として売られていたこいつを発見。

動力化済み、パンタ換装済み、スカート換装済み、それでいて3300円は破格じゃない?と思い…ずっと悩んだ挙句「どうせいつか欲しくなるだろうから今のうちに確保しておくか」という結論に至り、その翌日に開店と同時に駆け込んで買ってきた次第である。

 

なお、80型という形式は京阪では2代目にあたるため記事タイトルには80型(2代目)としているが、本文中では以下特筆なき限り80型という表現を使うことにする。

 

模型について


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ジャンク品として売られてたので車両ケースなどは特に付属しない。ビニールに包まれていた。先述の通り動力等は全て付属済み。

 


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模型全体像(上)と、正面から見た図(下)。車番はついておらず、このことから今回購入したのは80型の中でも初期ロットにあたる京阪の事業者限定品と思われる。その後のオープンパッケージのものはちゃんと最初から車番がついている。

形態は2連固定化・冷房化改造・ポールからパンタグラフへの更新が全て行われた1989年以降の形態。80型独特の正面をしっかりと再現しており、その出来栄えは申し分ない。

ちなみにスカートは前オーナーが交換したのか、純正品ではないものが取り付けられていた。純正品と比べてより実車に近い形態になっている…ありがたい。


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側面から見た図(上)と、連結面を拡大したところ(下)。妻面が丸みを帯びているため両運転台から改造された81~93の形態だと思われる。


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今回の80型は床面高さが低いからなのか、鉄コレとしては珍しく床下機器は流用品ではなく専用品が使われており、その形状や配置は実車さながらのものとなっていた。床下にはいつも通りスミ入れを施工している。

実車は1M方式のため1両に一連の機器を全て搭載しており、そのため機器配置は全車とも同一となる。

実車の写真を見ても抵抗器だけがどこにも見当たらないのだが、一体どこに積んでいたのだろうか…実車は永久直列の抵抗制御+他例界磁制御の組み合わせ(所謂界磁位相制御)だし、回生失効に備えて発電ブレーキも搭載していたので抵抗器は絶対必要なはずなのだが。

 

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上から見た図。連結面側から順に冷房用SIV・ツナギ箱・冷房装置・パンタグラフ、となる。


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パンタグラフTOMIXのPS16系列と思われるものがついており、その動作には全く問題がなかったものの、実車はPS16系列は搭載していない…恐らく前オーナーが間違えたか、当時使えそうなパンタグラフがなくやむを得ず代用したものだと思われる。


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そこで私はGMのPT42Nに2両とも換装した。TOMIXのPT-4212-Sでも良かったのだが、路面電車という特性上通常の鉄道車両よりパンタグラフを高く上げて走行するということを考えるとGMの方が向いていると思われる。見栄え的にも差し支えない。

取り付け穴は位置的には文句なかったが、ちょっとゆるかったのでゴム系の接着剤で接着。

 

動力について

今回の80型は外観的には大丈夫だしジャンク品としては割と大丈夫な方だろう…と思っていたが、思わぬ所で問題が発覚。動力だった。

具体的に言うと、一通り清掃を済ませていざ試運転してみたところ、集電不良等は特に見受けられなかったのだが、2両連結状態で動力車側を先頭とすると空転が発生してまともに進まなくなるし、逆方向にするとブルブル振動してしまうのだ。


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分解してみたところ、なんと私の一番嫌いな片台車駆動という事実が発覚。後々わかったのだが今回の80型には純正のTM-TR05ではなく、TM-TR01をアルモデルが80型用に改造したものが搭載されており、これは本来単行運転用の路面電車に搭載することを前提としていたものであって、付随車牽引は全く想定されていなかった…もっとも、TM-TR05も片台車駆動ではあるのだが。

 

とりあえず、死重を付けて粘着重量を稼ぎ走行性能をアップさせることに。


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ひとまずホームセンターで鉄コレ用重りの代用となるものを購入、いざ装着…といきたいところだがここでまた問題発生。重りの高さのせいで車体と動力の装着が出来なくなってしまった。

 

仕方なく、家に余っていた板重りを活用することに。


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搭載位置は動力台車の真上に加えて集電板の真下にも搭載し、絶縁のため板重りはマスキングテープで包んでマスキングテープで接着。

ようやく空転・振動共に根絶に成功し、走行には全く問題が無くなった。

 

総論

当ブログでジャンク品をレビューするのは初めてだと思われる。車体は多少指紋とかも目立つし、動力も当初は問題があったものの、走行性能は改善に成功したし車体の指紋汚れとかも車体の塗装が剥がれない程度に薄め液で洗浄すれば問題は無いかな…と思う。

 

どのメーカーにも言えることなのだが連結運転するような車両の動力に片台車駆動は止めて欲しい。正直言って論外である。片台車駆動が許されるのは単行運転する路面電車までである。

 

車番は元両運転台車のみで構成されたペアのうち、最終編成にあたる91-92のペアにしようと思う。前面と側面で車番の大きさ違うのだが、どうしよう…