わいらぼ

趣味関連の話や小ネタ?等、色々と。

【入線報告】MODEMOの東急デハ200に関するお話。

前回の京阪80型の入線以来、またもや路面電車車両を増備した。

 

それが今回紹介する東急のデハ200。独特な外観の軽量車体にカルダン駆動と高定格回転型の主電動機を組み合わせて高加減速車とした、関東圏の路面電車車両の中でも屈指の知名度(?)を誇る車両だ。

 

密かに探し求めていた車両ではあったのだが、出てくるものはどれも登場時の仕様ばかり。連結2人乗り仕様は中々出てくることがなく、やっと見つけたとしても1万は軽く超えるプレミア価格が付けられている始末。

 

そんなある日…暇潰しも兼ねてホビーランドぽちの通販サイトを漁っていると何とAランクの連結2人乗り仕様が7700円で出品されているのを発見。当初は通販での購入も考えたが送料等色々考えた結果店頭に直接出向いて探してみることに。秋葉原のぽち2号店に置いてあるのを発見し、無事入手した次第である。

 

余談ではあるが、私が「購入」した初のMODEMO製品でもある。

 

模型について

他メーカー同様プラ製の車両ケースに収められていた。
独特な車体形状の為ウレタンも専用設計となっており、あまりの強固さに車両の取り出し・収納に難儀するぐらいだった…
車両保護という観点からすればこれぐらいが望ましいのだけれども、取り出しや収納に支障をきたすぐらいだとさすがにやりすぎと言わざるを得ない。ウレタンは少し削った方がよさそう。

裏面には車番・行先幕のシールが同封されていた。車番はインレタの方が良かったのだが、あの車体にインレタを転写することの難易度を考えるとシールでよかったのかもしれない…

正面から車両を撮った図。デハ200特有の顔をしっかり再現できているように見え、その造形や塗装は申し分ない仕上がりだ。

 

本車はコアレスモーターではなかったのだが、モーター自体がかなり敏感なのか、パワーパックのつまみをちょっと回しただけですぐに動いてしまうので点灯時の姿を撮るのには非常に苦労し、テールライト点灯中の姿に関しては全く撮れなかった。申し訳ございません…

ちょっとライトが黄色すぎるかなという印象である。近いうちに電球色のLEDに交換せねば。

編成全体を側面から見た図。左の車両をA車、右の車両をB車と称する。

本車最大の特徴である一軸台車のTS-501型や、インサイドフレーム方式の台車であるTS-302型、天井肩部のルーバー等、こちらもデハ200の特徴を余すとこなく再現している。

B車だけ屋上にベンチレーターが設置されているが、実車ではB車のルーバー内に主抵抗器が収められているため、スペース上の都合でこういう構成になっている。

 

A車・B車をそれぞれ側面から見た図。両端の動力台車にはスミ入れを施工している。

 

パンタグラフ実車の形式名は不明だが形状からしておそらく東洋電機のPT52系列と思われる。
その再現度には全く問題がないものの、上げ下げの難易度が極悪そのもので、集電シュー部分を真っ直ぐ立たせるのが極めて難しい。正常に動作しないわけではないしディテールに問題があるわけでもないので私はこのまま使う方針である。

 

動力について

ぽちでAラング判定されただけあって、基本的にはそれなりにスムーズな動きを見せる。発売時期が時期なだけに近年のKATOやTOMIXほどの洗練された動きではないけれども、動きだけ見ていると実用上問題はなさそう。

特に、単行運転が前提の車両ながらも0.5M方式ではなく、しっかり両側の台車を駆動する両軸駆動になっているのには高評価したい。「いやそんなの当たり前だろ」と言われるかもしれないが、前回の京阪80型で空転の根絶に苦労を強いられた身からすれば感動ものである。

このように「走行性能」だけに注目すればなかなか優秀な製品である。

問題は静粛性で、A車先頭で走行させたときはまだ良かったのだが、B車先頭で走行させた際には車両から「ガリガリガリガリ…」とかなり目立つ騒音が発生してしまった。いつも通り動力台車にユニクリーンオイルの注油を行ったところ多少は改善が見られたが、根絶はできていない状況である。グリスの補充をした方がよさそう。

 

総評

先述の通り、今回は当ブログ初のMODEMO製品のレビューとなった。

2013年頃発売のため既に発売から10年以上経過している製品なのだが、その出来栄えには非の打ち所が見当たらなかった。実車の独特な車体形状を初めとした各部のディテールはとても忠実に再現されているように思う。

 

一方、「取り扱い」の観点からすればかなり難がある製品ということも事実。先述したパンタグラフなんかもそうだが、特に分解・組み立て難易度に関しては今まで購入してきたNゲージ車両の中でも最悪の部類で、連接台車がかなりデリケートな構造なのか、ちゃんと組みたてたつもりでもカーブを走行させると曲がったまま元に戻らない事もある。さすがに広電のグリーンムーバーよろしく車両が波打つような現象は見られなかったので幸いだが。

 

製品のディテールは優れているが取り扱いに難があるというのは、スタイルは抜群だが運用・保守では難があった実車にも似た何かを感じずにはいられない。良くも悪くも色んな意味で「実物に忠実」な製品、と言える。