わいらぼ

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OM SYSTEM OM-1 投入~試用~

長らく放置してて申し訳ございませんでした。色々多忙だったので中々更新できず…

カメラ関連の記事を書くのは今回が初めて、だと思われる。

 

投入までの経緯

私がいわゆる「一眼」というのを使い始めたのは2016年末、ちょうど私が中2ぐらいのころで、CanonのEOS kiss X7を買ってもらってつい最近までずっと使っていた。が…
・あまりにも少なすぎるAFポイント
・遅すぎる連写
・エントリー機ということを考慮してもお世辞にもいいとは言えないISO3200以上でのノイズ耐性

等々、エントリー機故の限界がすぐ露呈。程なくして次の主力機を探す羽目になってしまっていた。当初は順当に7D MarkⅡにでも行こうかとも思っていたが、ある日ヨドバシでSONYのα6300に出会い、外観に似合わぬその驚異的な連写力に感動した覚えがある。
おそらくそれをきっかけにミラーレスも検討し始めたのだが、ある日ふと「そういえばOLYMPUSというメーカーもあったよな?あそこのカメラって今どんな感じなんだろう?」と思って調べてみると…当時の同社のフラッグシップOM-D E-M1 MarkⅡに遭遇、121点オールクロスの位相差AFやAF/AE追従でのも18コマ/秒、固定なら60コマ/秒などという常軌を逸した性能や、マイクロフォーサーズ(以下当ブログではM4/3と表記する)システムのあまりの完成度の高さにまんまとカルチャーショックを感じさせられてしまった。

「もう次のメインシステムはオリ機を主軸とするM4/3しかありえない」と確信。ただ当時金銭的状況に恵まれてるとは言えなかった私はE-M1Ⅱも、その後続のフラッグシップとなるE-M1Xも絵に描いた餅として見守るしかなかったのである。

そうこうしているうちにOLYMPUSのカメラ事業部もOM SYSTEMとして刷新。初の作品としてOM-1が降臨していた。フィルムのOM-1を受け継いだのが一目で分かるネーミングもそうだが、それ以上に
・1053点オールクロス位相差AF
・AF/AE追従でブラックアウトフリーの50コマ/秒、AF/AE固定ならブラックアウトフリーの最高120コマ/秒の超高速連写
・歴代OLYMPUS機初と思われる4K60pの動画機能

・相変わらず強靭な防塵防滴性能
・ただでさえ強力なのがさらにブラッシュアップされた内蔵5軸手ぶれ補正

…等々、もはや次元を跳躍したとしか表現のしようがないそのスペックに即「次のメインはこれにしたい」と思うようになり、機材変更を志すようになった。

しかしながら模型購入などもあり計画は難航。キットレンズの惨憺たるAFだけでもなんとかしてみようと思い繋ぎとしてEFの85mm F1.8も購入し、同時期には縁あってPhotoshop 2022の導入も実現したが、去年頃には既に「これ以上X7では戦えないし、もう撮りたくない」という思いが完全に強まってしまっていた。
そんな矢先分割払いならどうにかOM-1の導入も成しえるんじゃ無いかと思い検討。ついには父と母の助けもあって4/29にかねてからの悲願であったOM-1の投入がようやく実現。同日を持ってX7は即お役御免となった。

E-M1ⅡでOLYMPUSを知り、E-M1Xでずっと憧れ続けたOLYMPUSのフラッグシップの投入が、それらから数段階も飛躍し進化したOM-1という形で遂に結実したわけである。

 

当時は既に12-40㎜ F2.8 Ⅱのレンズキットも発売されていたが、最高8段分のシンクロ手ぶれ補正が使える事と望遠端で換算200㎜となり鉄道撮影にも申し分なく使えるという点から12-100㎜ F4のレンズキットにした。
改めて考えると12-100㎜ほどやばいレンズも珍しい気がする。換算で24-70mm F4と70-200mm F4を1本に統合して24-200mm F4なんていうとんでもないスペックの高倍率とし、さらにはそこにIS(内蔵手振れ補正)と簡易マクロ機能までぶっこんだわけでしょ?

 

CanonもR5以降ボディ側の発展が目覚ましいというのは認識していて、実は最後はR7と迷っていた。が、

 

・ファインダーの画素数

・連写速度

・手振れ補正

・R7の何とも歪な操作系

・レンズ群

等の観点からOM-1の優位性は揺るぎようのないものだと確信。特にR7の「マルチセレクターとダイヤルを同軸で配置する」という形態は私とあまりにも合わず、操作系に関しては7DⅡから退化してるとしか感じられなかった。

どうもOM-1は「最後のOLYMPUSカメラ」であると同時に「初のOM SYSTEMのカメラ」という位置づけをされているらしく、ストラップはOLYMPUSとOM SYSTEMの両方のロゴが刻まれていた。
一方でE-M1 MarkⅢまであった青と黄色の帯はOM-1からは無くなって黒一色に。良く言えばシンプルだが悪く言うとなんとも殺風景。個人的には青と黄色の帯は無くさなくてもよかったなとも思う。

フラッグシップということでストラップ自体の幅も広くなっており、裏側は首の当たる部分だけ皮だったX7とは違ってOM-1は裏側全体が皮となっていた。
ただ私の結び方の問題なのか、やってみるとX7からストラップの長さが短くなってしまった。現状困っては無いし別にいいけれども。

 

てなわけで買ったからにはやはりテストしてみないと気が済まない。ここから先はOM-1の使用記を記していくことにする。

 

1日目

早速何撮りに行こう…と思ったがいざ考えてみると特にこれと言って思いつかない。とりあえず京急でデトでも撮ることにした。

 

2連でそこそこのスピードで出てくると聞いたので、早速ではあるが被写体認識AFを試してみる事に。検出対象は当然だが「電車・汽車」とした。

AFポイントは1053点全域を使う「All」としつつも変なとこにAF持っていかれるんじゃないかと多少心配もしていたが、全くの杞憂に終わった。車両自体が黄色地に赤帯というかなり目立つ外観というのも手伝ってるのか、いともたやすく瞬時に補足し合掌してくれる。
しかしなんていうか、デトの運番ってどれぐらいまで耐えるんだろうな。何もわからなくて120%幕切れるというのは承知の上で1/1000で切ったんだけど、どれぐらいまで耐えるかはどこにも載ってないもんで困っている。

2日目

2日目はドライブがてら葛西臨海公園等へ。羽田空港からもそこまで遠いわけでもないので航空機も撮れるっちゃ撮れる所だが、レンズの焦点距離的に厳しいのでここではとりあえず静物中心で撮影。

 

オリ機は青が好評だと聞いていたが、何とも優しい感じでしっかり青を出してくれる。ド派手すぎる色合いではなく、かといって薄すぎるわけでもなく、十分深みがありながらも見ているとなんとなく心が落ち着くような優しい絵を吐き出してくれるのがいい。

何より驚いたのは12-100mm F4の描写力の高さである。

 

これさぁ、8.3倍ズームの望遠端の絵だぜ???解像力やばすぎやしないか???

OLYMPUSのPROレンズ群の描写力は好評だという事を聞きつつも「さすがに換算24-200㎜の高倍率だし限界はありそう…」なんて思っていたが、完全に舐めてかかってしまっていた。まさかススキの穂一つ一つまで解像するだなんて。

一般的に「高倍率は描写力がよろしくない」という固定観念があるが、こいつに限ってはそれを真っ向から破壊しつくしたような描写力を見せつけてくれている。じゃんじゃん使っていけそう。

 

夜は暗所での動体撮影のテストも兼ねて羽田空港へ。最近になって国際線も再び充実してくるなど成田に負けないぐらい楽しくなりつつあると実感している。A380はさすがに見れないけど。

 


OM-1へ機材を更新するにあたって編集ソフトも既存のDPP4からOM Workspaceに変えたのだが、実はこのソフト、直近のアップデートで最近話題の「AIノイズリダクション」なるものが追加されている。所詮はM4/3機ということでAIノイズリダクション使えても高感度耐性は大して期待もしてなかったが…出てきた絵を見た時は驚愕した。上から順にISO16000・10000・8000だが、気に障るようなノイズは一切見られない。正直これなら5桁台の高感度もじゃんじゃん使っていけそう、と確信した。ソフト側の恩恵もすごいが、やはりOM-1のセンサーと画像処理エンジンの基本性能がいかに高いものなのかを思い知らされる。

暗所におけるAF性能の低下もほとんど見られない。この時は認識対象を「航空機」としていたが、いかなるシーンでも迷いなく認識し合掌、追従してくれていた。

 

3日目

この日はバイト後に秋葉原のぽちフェスへ。特に欲しいものも無かった為早々に撤退しヨドバシで交換レンズを試すという遊びをしていた。

 

バッテリーグリップの付いたOM-1+150-400mm F4.5も展示されてたので手に取って試してみた。重量配分が優秀なのか見た目によらず意外と持ちやすく、軽い。当然ながら描写力もAFもぶっちぎり。
願わくばこれを使いたいところだが、88万円という驚愕の値段だし買えるのは何時になるのやら。でもまあとりあえずバッテリーグリップは買わないとね。

 

その後はそのまま帰るってのもアレなので最近何かと話題の東急新横浜線へ。新綱島駅の日吉寄りで撮影に臨んだ。

 

初めは都営6300の回送。元住吉からの出庫か何かかと思うが、どっかのタイミングで新横浜への回送が出来たらしい。6500も好きな車両ではあるけどやはり新横浜線の開業を待たずに1・2次車がなくなってこの3次車だけになってしまったのは惜しいところである。

 

続けて埼玉高速の2000。こちらも好きな車両ということでX7時代から情熱的に追いつつもマイクロの模型買うのはずっと先延ばしにしてる、そんな車両である。
どうもこいつが新横浜来るのは未だに慣れない。まあ今後慣れていくと思うが…

続けて東急3000。ハイビームで見えないが編成は最終編成となる3113Fで、奇数編成ということで制御装置は日立製とされている。相鉄直通対応工事施工と同時にVVVFのソフト変更がなされ日立VVVFを積んだ奇数編成は独特な減速音になるなど、こちらも話題が尽きない。むしろ今になってさらに人気が上がったようにも感じられる。

東急5050の4000番台は全くと言っていい程乗らないし撮らない車両だが、まあせっかくなので。どうやらこの4113Fも営業再開からまもないようである。Qシート組み込みもなされたみたいなので中間増結だけ狙って乗るような車両になりそうだが。

そんでもってここにきてまさかの珍客登場。たった2編成しかいない東京メトロ9000の5次車である。既存車から大幅に変更された顔がなんとも独特な魅力を醸し出している車両…だが未だ模型化には恵まれない、そんな不憫な車両。
個人的には埼玉高速2000や都営6500撮れればいいやぐらいに思っていたので、こいつが来たのは素直に嬉しいところ。

 

最後は都営6500。ワインセラーみたいな見た目に似合わずパワフルな走りに爽やかなVVVF音、そして最上級の乗り心地など魅力の尽きない車両だと思う。

これらは全て被写体認識AFを使用したが、暗所にも関わらず全般的にスムーズに捕捉し合掌してくれた。一回だけ迷う場面があったが、40-150mm F2.8とか使えばまた変わってくるだろうね。

 

またこの新綱島駅、列車風がかなり強かったが、オリ機特有の超強力な手振れ補正がここにきてまんまと威力を発揮。フレーミングが信じられないぐらい楽になった。X7+85mm F1.8じゃフレーミングもままならなくて撮影どころではなかっただろう。

 

4日目

「アシアナの最後の747-400が飛来する」という情報を聞いてこの日は成田空港へ。

 

まずはEVAのB787-10。地味にこれを見るのも初めてな気がする。787-10ってもうちょい長いイメージがあったんだけどこう見る限りではA330-300ともそんなに差あるようには見えないな。錯覚だろうけど。

 

続いては韓国のLCC、エアプレミアの787-8。この会社の787-8は地味に韓国初の「トレント1000搭載の787」だったりする。反ロールスロイス指向が根強くトレント系列は見向きもしてない大韓と、そもそも近年はボーイング機を全く入れたがらないアシアナしか乗ってこなかった自分としてはとても嬉しいところ。


どうも成田は1ターミナルからの離陸機相手に換算200㎜は厳しいらしく、この写真もかなりのトリミングをしている。40-150㎜の導入は最優先ですべきだな。

続いてはこちらも初撮影となるB777F。ドイツの会社らしいが詳細はよくわからない。それにしてもGE90の大きさは伊達ではなく、777Fも決して小さな機体ではないはずなのにエンジンが他の航空機と比べても一際目立っているように感じられる。貨物機故なのか旅客機よりも豪快に水飛沫を撒き散らしながら離陸する姿が見られた。

そして次はZIPAIRの787-8が着陸。こちらもかなりのトリミングをしているがディテールは崩れずかなり保っているように見える。何とも頼もしい描写力だ。エンジンはおそらくGEnxだと思われる。

 

続いてはDHLの777Fが飛来。

そうこうしているうちに本命のアシアナの747-400も離陸。失敗は許されないため連写はAF/AE追従で最速となる「高速連写SH2」に設定した。

この日は雨もかなり降っていたが、さすがOLYMPUSの防塵防滴といった感じで、レンズ・本体共にかなり濡れてもびくともせずに正常作動。AFもピント外してしまったりとかは一切なく完璧に捕捉し追従していた。

 

総評

間違いなく革命と言える。そんなカメラだと感じている。

 

フラッグシップ機らしくその基本性能はエントリー機のX7とは到底比較の出来ない物で、暗所AFも予想以上の結果を見せてくれて大満足している。特に…

・超安定したフレーミングを可能としてくれる手振れ補正
・一瞬を逃す方が難しい程の狂気の高速連写
OLYMPUS初の4K60p・連写時におけるブラックアウトフリー

・E-M1X譲りの極めて握りやすいグリップ
・画面を文字通り埋め尽くしてしまった1053点オールクロス位相差AF

の5つの満足度が極めて高く、結果として毎回の撮影のモチベが大幅に向上したなとも感じている次第である。

一方で気になるのが画像をまとめて削除できない点。本機は最高120コマ/秒にも達する高速連写ゆえに撮影後の撮影データの選別がかなり大変なことになってしまっている。SONYなんかは連写した画像をグループとして表示してくれるらしいので羨ましい限りである。せめて削除する時「1枚だけ削除」「複数枚選択して削除」って風に出来ればなあ…

それともう一つ、これはE-M1Ⅱの時からずっと思っていたのだが、電子シャッター使用時のシャッター音だけはどうしても欲しいところ。特にNikonのZ9とか見てると尚更。無論撮影状況次第では無音での撮影が求められる時もあるのでそれはありがたいのだが、そうでもない時はやはり雰囲気づくりの面(?)からもシャッター音は欲しい。


今後

今後必要なものは以下の通りになるかなと思う。

・40-150㎜ F2.8 PRO

まあこれは順当な流れかな。暗所撮影とかしてるとやはりF4では明るさが足りない場面が多いし、望遠での撮影が多い私としては換算300㎜は欲しいところ。MC-14やMC-20なんか使えば換算420㎜・600㎜に伸ばせたりも出来るしね。オリのテレコン他社より画質劣化少ないし。

・HLD-10
パワーバッテリーホルダーというやつだが、いわゆる縦位置グリップやバッテリーグリップってやつである。電車を縦位置で撮影する事も多い私としては是非ともこれも欲しい。無論バッテリーもう1つ買うのも忘れずに。

・ショックマウント
実はOM-1投入に先駆けてリニアPCMレコーダーのLS-P5も購入しているが、純正のショックマウントを使ってレコーダーをマウントし、更に両社を接続すると動画撮影時に音声録音してくれるなど連携がきくらしい。動画撮影の頻度も多い私にとっては必須のアイテムである。ケーブルは余分のものがあるので買わんでもいいかなと。



まあこんなもんかな。40-150㎜の後はフォーサーズの300㎜ F2.8でも狙うか、それとも85mm F1.8の代替として60mm F0.95でも入れようか、とも考えている。

余談だが、今後の模型レビューに使う写真も全てOM-1での撮影になるかなと思っている。やはりスマホカメラでは限界が出てくるんですよ…