わいらぼ

趣味関連の話や小ネタ?等、色々と。

OM SYSTEM OM-1を使い始めて1年。改めてレビューしてみることに。

最後の投稿から丸々1年以上経ってしまった...もはや存在を忘れ去られてそうだが、ブログやめてたつもりはない。単に時間がなかっただけだ。

...言い訳はここまでにします。サボってすいませんでした。

なんだかんだで去年の4月にX7からOM-1に乗り換えて以来愛用してきたが、気が付けば記事執筆時点でもう使用開始からちょうど1年が経っていた。というわけで今回は、OM-1の導入以来ずっと「これだけはやろう」と思っていた、1年使ってきてどうだったのか、今までに気づいたことを中心として改めて再レビューしてみることにする。

 

特に理由がなければバッテリーグリップは付けるべき

今まで使ってきて痛感したことである。
無論OM-1のグリップは今まで私が触ってきた一眼の中では最高である。最高ではあるのだが、150-400mm F4.5や最近登場した150-600mm F5-6.3などは言うまでもなく、私の使用している12-100mm F4クラスでさえも、バッテリーグリップ装着済みの個体とそうでない個体とでは構えやすさが段違いなのである。

実際、ヨドバシの店頭などに展示されているバッテリーグリップありのデモ機とかを触ってみると、バッテリーグリップの高さだけ底面が低くなる影響なのか、左手の指をレンズに添えて左掌の上にボディを載せるという私の構え方でも格段に安定感が増すなと感じた。小型軽量を優先してバッテリーグリップ無しで運用するか、一日長持ちさせるためにもバッテリーグリップありで運用するかはもちろん個人の自由だと思うが、私個人的には特段こだわりがなければバッテリーグリップありで運用すべきだと思っている。これは他社フラッグシップだって同様である。

...とはいうものの、バッテリーグリップ自体が単体で4万超えるものだし、そこに追加で入れるもう1つの純正バッテリーの値段も考慮すると迂闊に手出せるものでもないというのも事実である。はてさてどうしたものか。

あ、もちろん腕力鍛えてがっちり構えられるようになれりゃそれがベストではあるのだが...

 

AFに問題あり...???

ネット上でOM-1のレビューを見るたびに時折出てくるのがこれである。「AF精度がよくない」「早急なAFの改善を望む」など。

ほんとかよ...と思いつつ、私が1年使用してきて実際どうだったのか書いていくことにする。当然すぎて言うまでもないことだが忖度は一切なしである。

初めに、駅から遠ざかっていく小田急4000形を撮影したものである。撮影地の明治神宮前代々木上原寄りはF4開放でもISO25600まで普通に上がってしまうぐらい光量の無い中々の悪条件ではあったし、鉄道みたいに動きがある程度一定している被写体でもこちらに接近してくるのではなくこちらから遠ざかっていく被写体はAFが相対的に苦手とするシーン、なんて話を聞いたこともあるが、何ら問題なくAFは合掌していることがお分かりいただけるかと思う。

私は露光間ズーム、いわゆる「ズーム流し」とかも鉄道車両を撮る上ではそこそこ積極的にやっているが、やはりAF精度や食いつきが問題となったような事は一度もなかった。むしろ被写体を正確に捉え続けられない私の実力そのものが足を引っ張ったシーンの方が多かったかな(苦笑)

とはいえまあこれらはある程度動き方に規則性があり、動体撮影におけるAFはこういう被写体だけでは語れないのもまた事実だと感じている。ちょうど韓国の外島へフェリーで訪問した際、船上から撮影したのがあるのでそちらもご覧いただこうと思う。

4枚連続でご覧頂こう。トリミング以外の加工は一切施しておらず、当然シャープネス周りも一切いじっていない。

まあこれだと見えにくいと思うので、下のカモメだけトリミングした画像もお見せしようと思う。

船上故、当たり前のように波しぶきが上がるような状況である。そんな状況でも波しぶきにAFが持っていかれずに綺麗にカモメに合掌しているのがお分かりいただけただろうか?

正直言って、この1年OM-1を使ってきた身としては「AFは要改善」という評価については極めて疑わしく思っている。特に被写体が不規則に動く野鳥撮影などにおいてはむしろ「被写体を正確に自ら捉え続ける」という撮影者のスキルの方が問われる場面ではなかろうか。全部とは言わないが、「ピント合いませんでした!」って写真見てると大半は単に被写体ブレ起こしてるだけ、のパターンを散々見させられてきたからなぁ...何なら私だってそうである。鳥とかを自分の目で追い切れずに微小な被写体ブレを起こしてしまった写真は数多い。
そもそも「前景側にAFが引っ張られやすいのをどうにかしろ」って...AFリミッターとAFターゲット枠設定は何のために用意されてんのよ。エントリー機ならともかく、最新機能てんこ盛りのフラッグシップ使ってるユーザーがまともに機能一つ一つを使いこなそうともせずに機材のせいにするのはいかがなものかとしか思えないのだが、違うだろうか?

場面問わず強力無比なボディ内手振れ補正

全てのOM-Dファミリーに共通して言われる強み...強力な手振れ補正である。このOM-1も当然例外ではなく、数値上はボディ単体で7.5段、対応レンズとの組み合わせで8段という数値が示されているが、これにセンサーサイズ故他社機より補正の恩恵を受けやすいってのも加味すると実質的には他社基準で9段以上あってもおかしくないのでは...とも思ってしまう。

この強力な手振れ補正を利用して「手持ちバルブ」なんてことをやってのけている人もかなりの数いるらしく、私も試してみた。場所は新宿のとある交差点である。

ガードレールか何かはわからんが寄りかかって撮影したので完全な手持ちバルブかといわれるとちょっと怪しい気もするが、それでも5秒手持ちバルブしてここまでブレの少ない結果が出たのには素直に驚きを隠せないところである。

とはいえ、毎回成功したかといわれると残念ながら私自身まだその域には達していないのも事実である。写真は田園調布の目黒線ホームで埼玉高速の2000系に手持ちバルブを試みたのだが、普通にブレが出てしまっている。こういうのは腕力と練習ありきなのかもしれない。

むしろ私の場合、手振れ補正はそこそこ重量のあるレンズを使用する時フレーミングの安定性が飛躍的に向上する、という形で役に立っている状況である。前「いくらボディ内手振れ補正が強力だからって被写体ブレは防げない」みたいなことを言ってる人を見かけたのだが、被写体ブレ防ぐために高速シャッター切ったところで被写体をまともに追えてなければ意味がない。当然いかに安定的にフレーミングできるかが重要になってくると思うし、そうした観点からも強力なボディ内手振れ補正ってのは動体撮影時においても必要不可欠な存在だと認識している。

やはり電子シャッターでもシャッター音は欲しい

個人的にOM-1最大の欠点というか、惜しいところである。シャッター音無しの電子シャッターはそのままに先代のE-M1Ⅲまで存在していたメカシャッターによる15コマ/秒の高速連写がなくなってしまった。

劇場などシャッター音をなるべく出したくないというシーンで無音でシャッターが切れるというのは間違いなく長所だと思うし、私自身もその恩恵に何度もあやかっているのも事実である。ただ、普段はやはりシャッターを切る音というのは存在してくれた方が「写真を撮っている気」になれるし、連写時にちゃんとシャッター切れてるかどうか確かめられるという点からも必要だと思っている。今後のファームアップでぜひとも追加してもらいたいのだが、果たしてどうなることやら。

緑かぶりの傾向が結構強めな色味

これは使い始めてしばらくしてから気づいたことである。これがOM-D系列全てに共通する傾向なのか、それともOM-1で撮像センサーと画像処理エンジンが変わってこんなことになったのかは不明なのだが、前使ってたCanonのX7と比較すると全体的に色味が緑っぽいように感じられる。

特に、暗所で撮影すると緑っぽさがより強まる気がしている。写真は前にも載せたと思う02系なのだが、見るからにして車両が全体的に緑っぽく映っているのがお分かりいただけると思う。

もっとも、色味なんてのは所詮人の好みに過ぎないし、気に入らなければボディ側の設定とかRAW現像時とかで調色すればいいだけのことである。実際私も緑っぽさが気になりすぎる場合はホワイトバランスの調整とかで毎回色味を調整してたりしているし...

 

総評

去年4月に購入して以来1年、ここまでくれば粗の一つや二つぐらいは出るだろうと思いつつ使ってきたのだが、結局目立った短所が出てくるどころかますます他人におすすめしたいぐらいに魅力が出てくるといった状況であった。

 

カメラなんてのも結局は人間が主導して開発し製造する道具である以上、完璧なものなんてありえないし、どれが長所でどれが短所か決めるのは使用者次第であるのは事実。ただ、それを踏まえてもOM-1は特にAF関連などで不当な評価をされすぎではといった感がすごい。端的に言ってもこれがダメって...今までどうやってきたのだろうか。

個人的にOM-1を始めとするOLYMPUS・OMDSのフラッグシップ機の最大の弱点は望遠、特に「F2.8かそれ以下の明るい望遠」の選択肢が著しく少ないところであると感じている。レガシーフォーサーズに存在した35-100mm F2.0、90-250mm F2.8、150mm F2.0、300mm F2.8を見ていると尚更そう感じてしまうのである。

大きく重くなることに拒否感を示す人が出てくるのだろうが、これら4本の焦点距離はフルサイズ換算で70-200mm、180-500mm、300mm、600mmである。現実的に考えてフルサイズで同じような規格のレンズを作ったらどれぐらいの大きさになると思ってるんだろうか。SIGMAの「エビフライ」こと200-500mm F2.8なんて15.7kgである。小型軽量というのを「レンズやボディの絶対的な重さ」でしか批評してない人があまりにも多すぎる。

明るいレンズというのは単なる暗所性能の向上だけじゃなくて、高速シャッターを切れる余地が広くなる、つまりどんな状況でも表現の自由度が向上するということ。だからこそ...OMDSには今すぐにでも35-100mm F2.0、90-250mm F2.8、150mm F2.0、300mm F2.8の後継について真剣に検討してもらいたい...きっと私以外にも多くの人が願っているはずである。