2023年5月26日
大学終わってふと運用調査覗いたら3448動いてたのですかさず迎撃へ。
午後順光で撮れるとこどこだろうと思って即席で検討した挙句新馬場に決定。
と思っていざ行ってみたら12-100mmでは4・6連はまだしも8連は引き付けてギリギリなんとかなるぐらいの、割とシビアな場所だったことが判明。
運番は弱い(1/60か1/125のどちらかだったはず)のは知ってたし種別行先は幕なので、ギリギリ(換算60mm程度)まで引き付けたうえでSSを1/5000、連写は50コマ/秒の超高速SH2にして止める、かなり思い切った設定に。
が、いざ撮ってみるとかなり満足度が高い。14枚程連写したが1枚もピントは外れていなかった。
この2枚は半分ふざけて新宿の池袋寄りで撮影したもの。ISOは1枚目が25600、2枚目が20000と常用最高に近いが、AIノイズリダクションの恩恵もあって案外常用できる絵に。やはりOM Workspaceは偉大だ。
続けて大江戸へ転戦。1枚目の12-600の3次車も何だかんだまともに撮るのは今日が初めてだけど、こうしてみると全然ダサい車両ではないな。
暫し撮影して3枚目の12-421Fで別の場所に移動しようとした瞬間…出発3秒後にいきなり急停止したので何事かと思ったら千葉で地震があったらしい。色々不安になって結局帰宅してしまった。
新宿の中古カメラ屋にTAMRONの300mm F2.8がずっと鎮座していて気にはなってるけど、今すぐ欲しいかと言われると微妙かな…フォーサーズの300㎜ F2.8の存在もあるし。でもまあいつかは欲しいなと思っている。
どうでもいいけどEFの85mm F1.8は売却しました。中望遠は後々コシナの60mm F0.95でも買えたらなと。
OM SYSTEM OM-1 投入~試用~
長らく放置してて申し訳ございませんでした。色々多忙だったので中々更新できず…
カメラ関連の記事を書くのは今回が初めて、だと思われる。
投入までの経緯
私がいわゆる「一眼」というのを使い始めたのは2016年末、ちょうど私が中2ぐらいのころで、CanonのEOS kiss X7を買ってもらってつい最近までずっと使っていた。が…
・あまりにも少なすぎるAFポイント
・遅すぎる連写
・エントリー機ということを考慮してもお世辞にもいいとは言えないISO3200以上でのノイズ耐性
等々、エントリー機故の限界がすぐ露呈。程なくして次の主力機を探す羽目になってしまっていた。当初は順当に7D MarkⅡにでも行こうかとも思っていたが、ある日ヨドバシでSONYのα6300に出会い、外観に似合わぬその驚異的な連写力に感動した覚えがある。
おそらくそれをきっかけにミラーレスも検討し始めたのだが、ある日ふと「そういえばOLYMPUSというメーカーもあったよな?あそこのカメラって今どんな感じなんだろう?」と思って調べてみると…当時の同社のフラッグシップOM-D E-M1 MarkⅡに遭遇、121点オールクロスの位相差AFやAF/AE追従でのも18コマ/秒、固定なら60コマ/秒などという常軌を逸した性能や、マイクロフォーサーズ(以下当ブログではM4/3と表記する)システムのあまりの完成度の高さにまんまとカルチャーショックを感じさせられてしまった。
「もう次のメインシステムはオリ機を主軸とするM4/3しかありえない」と確信。ただ当時金銭的状況に恵まれてるとは言えなかった私はE-M1Ⅱも、その後続のフラッグシップとなるE-M1Xも絵に描いた餅として見守るしかなかったのである。
そうこうしているうちにOLYMPUSのカメラ事業部もOM SYSTEMとして刷新。初の作品としてOM-1が降臨していた。フィルムのOM-1を受け継いだのが一目で分かるネーミングもそうだが、それ以上に
・1053点オールクロス位相差AF
・AF/AE追従でブラックアウトフリーの50コマ/秒、AF/AE固定ならブラックアウトフリーの最高120コマ/秒の超高速連写
・歴代OLYMPUS機初と思われる4K60pの動画機能
・相変わらず強靭な防塵防滴性能
・ただでさえ強力なのがさらにブラッシュアップされた内蔵5軸手ぶれ補正
…等々、もはや次元を跳躍したとしか表現のしようがないそのスペックに即「次のメインはこれにしたい」と思うようになり、機材変更を志すようになった。
しかしながら模型購入などもあり計画は難航。キットレンズの惨憺たるAFだけでもなんとかしてみようと思い繋ぎとしてEFの85mm F1.8も購入し、同時期には縁あってPhotoshop 2022の導入も実現したが、去年頃には既に「これ以上X7では戦えないし、もう撮りたくない」という思いが完全に強まってしまっていた。
そんな矢先分割払いならどうにかOM-1の導入も成しえるんじゃ無いかと思い検討。ついには父と母の助けもあって4/29にかねてからの悲願であったOM-1の投入がようやく実現。同日を持ってX7は即お役御免となった。
E-M1ⅡでOLYMPUSを知り、E-M1Xでずっと憧れ続けたOLYMPUSのフラッグシップの投入が、それらから数段階も飛躍し進化したOM-1という形で遂に結実したわけである。
当時は既に12-40㎜ F2.8 Ⅱのレンズキットも発売されていたが、最高8段分のシンクロ手ぶれ補正が使える事と望遠端で換算200㎜となり鉄道撮影にも申し分なく使えるという点から12-100㎜ F4のレンズキットにした。
改めて考えると12-100㎜ほどやばいレンズも珍しい気がする。換算で24-70mm F4と70-200mm F4を1本に統合して24-200mm F4なんていうとんでもないスペックの高倍率とし、さらにはそこにIS(内蔵手振れ補正)と簡易マクロ機能までぶっこんだわけでしょ?
CanonもR5以降ボディ側の発展が目覚ましいというのは認識していて、実は最後はR7と迷っていた。が、
・ファインダーの画素数
・連写速度
・手振れ補正
・R7の何とも歪な操作系
・レンズ群
等の観点からOM-1の優位性は揺るぎようのないものだと確信。特にR7の「マルチセレクターとダイヤルを同軸で配置する」という形態は私とあまりにも合わず、操作系に関しては7DⅡから退化してるとしか感じられなかった。
どうもOM-1は「最後のOLYMPUSカメラ」であると同時に「初のOM SYSTEMのカメラ」という位置づけをされているらしく、ストラップはOLYMPUSとOM SYSTEMの両方のロゴが刻まれていた。
一方でE-M1 MarkⅢまであった青と黄色の帯はOM-1からは無くなって黒一色に。良く言えばシンプルだが悪く言うとなんとも殺風景。個人的には青と黄色の帯は無くさなくてもよかったなとも思う。
フラッグシップということでストラップ自体の幅も広くなっており、裏側は首の当たる部分だけ皮だったX7とは違ってOM-1は裏側全体が皮となっていた。
ただ私の結び方の問題なのか、やってみるとX7からストラップの長さが短くなってしまった。現状困っては無いし別にいいけれども。
てなわけで買ったからにはやはりテストしてみないと気が済まない。ここから先はOM-1の使用記を記していくことにする。
1日目
早速何撮りに行こう…と思ったがいざ考えてみると特にこれと言って思いつかない。とりあえず京急でデトでも撮ることにした。
2連でそこそこのスピードで出てくると聞いたので、早速ではあるが被写体認識AFを試してみる事に。検出対象は当然だが「電車・汽車」とした。
AFポイントは1053点全域を使う「All」としつつも変なとこにAF持っていかれるんじゃないかと多少心配もしていたが、全くの杞憂に終わった。車両自体が黄色地に赤帯というかなり目立つ外観というのも手伝ってるのか、いともたやすく瞬時に補足し合掌してくれる。
しかしなんていうか、デトの運番ってどれぐらいまで耐えるんだろうな。何もわからなくて120%幕切れるというのは承知の上で1/1000で切ったんだけど、どれぐらいまで耐えるかはどこにも載ってないもんで困っている。
2日目
2日目はドライブがてら葛西臨海公園等へ。羽田空港からもそこまで遠いわけでもないので航空機も撮れるっちゃ撮れる所だが、レンズの焦点距離的に厳しいのでここではとりあえず静物中心で撮影。
オリ機は青が好評だと聞いていたが、何とも優しい感じでしっかり青を出してくれる。ド派手すぎる色合いではなく、かといって薄すぎるわけでもなく、十分深みがありながらも見ているとなんとなく心が落ち着くような優しい絵を吐き出してくれるのがいい。
何より驚いたのは12-100mm F4の描写力の高さである。
これさぁ、8.3倍ズームの望遠端の絵だぜ???解像力やばすぎやしないか???
OLYMPUSのPROレンズ群の描写力は好評だという事を聞きつつも「さすがに換算24-200㎜の高倍率だし限界はありそう…」なんて思っていたが、完全に舐めてかかってしまっていた。まさかススキの穂一つ一つまで解像するだなんて。
一般的に「高倍率は描写力がよろしくない」という固定観念があるが、こいつに限ってはそれを真っ向から破壊しつくしたような描写力を見せつけてくれている。じゃんじゃん使っていけそう。
夜は暗所での動体撮影のテストも兼ねて羽田空港へ。最近になって国際線も再び充実してくるなど成田に負けないぐらい楽しくなりつつあると実感している。A380はさすがに見れないけど。
OM-1へ機材を更新するにあたって編集ソフトも既存のDPP4からOM Workspaceに変えたのだが、実はこのソフト、直近のアップデートで最近話題の「AIノイズリダクション」なるものが追加されている。所詮はM4/3機ということでAIノイズリダクション使えても高感度耐性は大して期待もしてなかったが…出てきた絵を見た時は驚愕した。上から順にISO16000・10000・8000だが、気に障るようなノイズは一切見られない。正直これなら5桁台の高感度もじゃんじゃん使っていけそう、と確信した。ソフト側の恩恵もすごいが、やはりOM-1のセンサーと画像処理エンジンの基本性能がいかに高いものなのかを思い知らされる。
暗所におけるAF性能の低下もほとんど見られない。この時は認識対象を「航空機」としていたが、いかなるシーンでも迷いなく認識し合掌、追従してくれていた。
3日目
この日はバイト後に秋葉原のぽちフェスへ。特に欲しいものも無かった為早々に撤退しヨドバシで交換レンズを試すという遊びをしていた。
バッテリーグリップの付いたOM-1+150-400mm F4.5も展示されてたので手に取って試してみた。重量配分が優秀なのか見た目によらず意外と持ちやすく、軽い。当然ながら描写力もAFもぶっちぎり。
願わくばこれを使いたいところだが、88万円という驚愕の値段だし買えるのは何時になるのやら。でもまあとりあえずバッテリーグリップは買わないとね。
その後はそのまま帰るってのもアレなので最近何かと話題の東急新横浜線へ。新綱島駅の日吉寄りで撮影に臨んだ。
初めは都営6300の回送。元住吉からの出庫か何かかと思うが、どっかのタイミングで新横浜への回送が出来たらしい。6500も好きな車両ではあるけどやはり新横浜線の開業を待たずに1・2次車がなくなってこの3次車だけになってしまったのは惜しいところである。
続けて埼玉高速の2000。こちらも好きな車両ということでX7時代から情熱的に追いつつもマイクロの模型買うのはずっと先延ばしにしてる、そんな車両である。
どうもこいつが新横浜来るのは未だに慣れない。まあ今後慣れていくと思うが…
続けて東急3000。ハイビームで見えないが編成は最終編成となる3113Fで、奇数編成ということで制御装置は日立製とされている。相鉄直通対応工事施工と同時にVVVFのソフト変更がなされ日立VVVFを積んだ奇数編成は独特な減速音になるなど、こちらも話題が尽きない。むしろ今になってさらに人気が上がったようにも感じられる。
東急5050の4000番台は全くと言っていい程乗らないし撮らない車両だが、まあせっかくなので。どうやらこの4113Fも営業再開からまもないようである。Qシート組み込みもなされたみたいなので中間増結だけ狙って乗るような車両になりそうだが。
そんでもってここにきてまさかの珍客登場。たった2編成しかいない東京メトロ9000の5次車である。既存車から大幅に変更された顔がなんとも独特な魅力を醸し出している車両…だが未だ模型化には恵まれない、そんな不憫な車両。
個人的には埼玉高速2000や都営6500撮れればいいやぐらいに思っていたので、こいつが来たのは素直に嬉しいところ。
最後は都営6500。ワインセラーみたいな見た目に似合わずパワフルな走りに爽やかなVVVF音、そして最上級の乗り心地など魅力の尽きない車両だと思う。
これらは全て被写体認識AFを使用したが、暗所にも関わらず全般的にスムーズに捕捉し合掌してくれた。一回だけ迷う場面があったが、40-150mm F2.8とか使えばまた変わってくるだろうね。
またこの新綱島駅、列車風がかなり強かったが、オリ機特有の超強力な手振れ補正がここにきてまんまと威力を発揮。フレーミングが信じられないぐらい楽になった。X7+85mm F1.8じゃフレーミングもままならなくて撮影どころではなかっただろう。
4日目
「アシアナの最後の747-400が飛来する」という情報を聞いてこの日は成田空港へ。
まずはEVAのB787-10。地味にこれを見るのも初めてな気がする。787-10ってもうちょい長いイメージがあったんだけどこう見る限りではA330-300ともそんなに差あるようには見えないな。錯覚だろうけど。
続いては韓国のLCC、エアプレミアの787-8。この会社の787-8は地味に韓国初の「トレント1000搭載の787」だったりする。反ロールスロイス指向が根強くトレント系列は見向きもしてない大韓と、そもそも近年はボーイング機を全く入れたがらないアシアナしか乗ってこなかった自分としてはとても嬉しいところ。
どうも成田は1ターミナルからの離陸機相手に換算200㎜は厳しいらしく、この写真もかなりのトリミングをしている。40-150㎜の導入は最優先ですべきだな。
続いてはこちらも初撮影となるB777F。ドイツの会社らしいが詳細はよくわからない。それにしてもGE90の大きさは伊達ではなく、777Fも決して小さな機体ではないはずなのにエンジンが他の航空機と比べても一際目立っているように感じられる。貨物機故なのか旅客機よりも豪快に水飛沫を撒き散らしながら離陸する姿が見られた。
そして次はZIPAIRの787-8が着陸。こちらもかなりのトリミングをしているがディテールは崩れずかなり保っているように見える。何とも頼もしい描写力だ。エンジンはおそらくGEnxだと思われる。
続いてはDHLの777Fが飛来。
そうこうしているうちに本命のアシアナの747-400も離陸。失敗は許されないため連写はAF/AE追従で最速となる「高速連写SH2」に設定した。
この日は雨もかなり降っていたが、さすがOLYMPUSの防塵防滴といった感じで、レンズ・本体共にかなり濡れてもびくともせずに正常作動。AFもピント外してしまったりとかは一切なく完璧に捕捉し追従していた。
総評
間違いなく革命と言える。そんなカメラだと感じている。
フラッグシップ機らしくその基本性能はエントリー機のX7とは到底比較の出来ない物で、暗所AFも予想以上の結果を見せてくれて大満足している。特に…
・超安定したフレーミングを可能としてくれる手振れ補正
・一瞬を逃す方が難しい程の狂気の高速連写
・OLYMPUS初の4K60p・連写時におけるブラックアウトフリー
・E-M1X譲りの極めて握りやすいグリップ
・画面を文字通り埋め尽くしてしまった1053点オールクロス位相差AF
の5つの満足度が極めて高く、結果として毎回の撮影のモチベが大幅に向上したなとも感じている次第である。
一方で気になるのが画像をまとめて削除できない点。本機は最高120コマ/秒にも達する高速連写ゆえに撮影後の撮影データの選別がかなり大変なことになってしまっている。SONYなんかは連写した画像をグループとして表示してくれるらしいので羨ましい限りである。せめて削除する時「1枚だけ削除」「複数枚選択して削除」って風に出来ればなあ…
それともう一つ、これはE-M1Ⅱの時からずっと思っていたのだが、電子シャッター使用時のシャッター音だけはどうしても欲しいところ。特にNikonのZ9とか見てると尚更。無論撮影状況次第では無音での撮影が求められる時もあるのでそれはありがたいのだが、そうでもない時はやはり雰囲気づくりの面(?)からもシャッター音は欲しい。
今後
今後必要なものは以下の通りになるかなと思う。
・40-150㎜ F2.8 PRO
まあこれは順当な流れかな。暗所撮影とかしてるとやはりF4では明るさが足りない場面が多いし、望遠での撮影が多い私としては換算300㎜は欲しいところ。MC-14やMC-20なんか使えば換算420㎜・600㎜に伸ばせたりも出来るしね。オリのテレコン他社より画質劣化少ないし。
・HLD-10
パワーバッテリーホルダーというやつだが、いわゆる縦位置グリップやバッテリーグリップってやつである。電車を縦位置で撮影する事も多い私としては是非ともこれも欲しい。無論バッテリーもう1つ買うのも忘れずに。
・ショックマウント
実はOM-1投入に先駆けてリニアPCMレコーダーのLS-P5も購入しているが、純正のショックマウントを使ってレコーダーをマウントし、更に両社を接続すると動画撮影時に音声録音してくれるなど連携がきくらしい。動画撮影の頻度も多い私にとっては必須のアイテムである。ケーブルは余分のものがあるので買わんでもいいかなと。
まあこんなもんかな。40-150㎜の後はフォーサーズの300㎜ F2.8でも狙うか、それとも85mm F1.8の代替として60mm F0.95でも入れようか、とも考えている。
余談だが、今後の模型レビューに使う写真も全てOM-1での撮影になるかなと思っている。やはりスマホカメラでは限界が出てくるんですよ…
【入線報告】MODEMOの東急デハ200に関するお話。
前回の京阪80型の入線以来、またもや路面電車車両を増備した。
それが今回紹介する東急のデハ200。独特な外観の軽量車体にカルダン駆動と高定格回転型の主電動機を組み合わせて高加減速車とした、関東圏の路面電車車両の中でも屈指の知名度(?)を誇る車両だ。
密かに探し求めていた車両ではあったのだが、出てくるものはどれも登場時の仕様ばかり。連結2人乗り仕様は中々出てくることがなく、やっと見つけたとしても1万は軽く超えるプレミア価格が付けられている始末。
そんなある日…暇潰しも兼ねてホビーランドぽちの通販サイトを漁っていると何とAランクの連結2人乗り仕様が7700円で出品されているのを発見。当初は通販での購入も考えたが送料等色々考えた結果店頭に直接出向いて探してみることに。秋葉原のぽち2号店に置いてあるのを発見し、無事入手した次第である。
余談ではあるが、私が「購入」した初のMODEMO製品でもある。
模型について
他メーカー同様プラ製の車両ケースに収められていた。
独特な車体形状の為ウレタンも専用設計となっており、あまりの強固さに車両の取り出し・収納に難儀するぐらいだった…
車両保護という観点からすればこれぐらいが望ましいのだけれども、取り出しや収納に支障をきたすぐらいだとさすがにやりすぎと言わざるを得ない。ウレタンは少し削った方がよさそう。
裏面には車番・行先幕のシールが同封されていた。車番はインレタの方が良かったのだが、あの車体にインレタを転写することの難易度を考えるとシールでよかったのかもしれない…
正面から車両を撮った図。デハ200特有の顔をしっかり再現できているように見え、その造形や塗装は申し分ない仕上がりだ。
本車はコアレスモーターではなかったのだが、モーター自体がかなり敏感なのか、パワーパックのつまみをちょっと回しただけですぐに動いてしまうので点灯時の姿を撮るのには非常に苦労し、テールライト点灯中の姿に関しては全く撮れなかった。申し訳ございません…
ちょっとライトが黄色すぎるかなという印象である。近いうちに電球色のLEDに交換せねば。
編成全体を側面から見た図。左の車両をA車、右の車両をB車と称する。
本車最大の特徴である一軸台車のTS-501型や、インサイドフレーム方式の台車であるTS-302型、天井肩部のルーバー等、こちらもデハ200の特徴を余すとこなく再現している。
B車だけ屋上にベンチレーターが設置されているが、実車ではB車のルーバー内に主抵抗器が収められているため、スペース上の都合でこういう構成になっている。
A車・B車をそれぞれ側面から見た図。両端の動力台車にはスミ入れを施工している。
パンタグラフ。実車の形式名は不明だが形状からしておそらく東洋電機のPT52系列と思われる。
その再現度には全く問題がないものの、上げ下げの難易度が極悪そのもので、集電シュー部分を真っ直ぐ立たせるのが極めて難しい。正常に動作しないわけではないしディテールに問題があるわけでもないので私はこのまま使う方針である。
動力について
ぽちでAラング判定されただけあって、基本的にはそれなりにスムーズな動きを見せる。発売時期が時期なだけに近年のKATOやTOMIXほどの洗練された動きではないけれども、動きだけ見ていると実用上問題はなさそう。
特に、単行運転が前提の車両ながらも0.5M方式ではなく、しっかり両側の台車を駆動する両軸駆動になっているのには高評価したい。「いやそんなの当たり前だろ」と言われるかもしれないが、前回の京阪80型で空転の根絶に苦労を強いられた身からすれば感動ものである。
このように「走行性能」だけに注目すればなかなか優秀な製品である。
問題は静粛性で、A車先頭で走行させたときはまだ良かったのだが、B車先頭で走行させた際には車両から「ガリガリガリガリ…」とかなり目立つ騒音が発生してしまった。いつも通り動力台車にユニクリーンオイルの注油を行ったところ多少は改善が見られたが、根絶はできていない状況である。グリスの補充をした方がよさそう。
総評
先述の通り、今回は当ブログ初のMODEMO製品のレビューとなった。
2013年頃発売のため既に発売から10年以上経過している製品なのだが、その出来栄えには非の打ち所が見当たらなかった。実車の独特な車体形状を初めとした各部のディテールはとても忠実に再現されているように思う。
一方、「取り扱い」の観点からすればかなり難がある製品ということも事実。先述したパンタグラフなんかもそうだが、特に分解・組み立て難易度に関しては今まで購入してきたNゲージ車両の中でも最悪の部類で、連接台車がかなりデリケートな構造なのか、ちゃんと組みたてたつもりでもカーブを走行させると曲がったまま元に戻らない事もある。さすがに広電のグリーンムーバーよろしく車両が波打つような現象は見られなかったので幸いだが。
製品のディテールは優れているが取り扱いに難があるというのは、スタイルは抜群だが運用・保守では難があった実車にも似た何かを感じずにはいられない。良くも悪くも色んな意味で「実物に忠実」な製品、と言える。
【入線報告】鉄コレの京阪80型(2代目)に関するお話
前から「京阪で一番好きな車両は?」と言われると、初代3000系、2代目3000系、そしてこの2代目80型は絶対に外せない存在だった。
その外観もさることながら、吊り掛け車にも関わらず3.2km/h/sという高加速性能、路面電車車両としては平均以上の高速性能、66.7‰の急勾配も難なくこなす登坂性能、そして他励界磁制御による定速制御・回生制動まで全部入りのとんでもない性能には魅力しかない。
鉄コレとして製品化されていたが、オープンパッケージでの製品化に合わせて専用の動力ユニットも発売されるなど中々に気合いの入っていた。いつかは欲しいと思っていたのだがずっと後回しになってしまい中々買う機会が無かった。
この車両を入手したのはちょうど記事執筆開始時点から4日前。川崎のぽちはずっと行って無かったし、ポポンも久しく行って無かったので川崎地区の貨物線を一通り散歩してきた帰り際に寄った際、ぽちで偶然ジャンク品として売られていたこいつを発見。
動力化済み、パンタ換装済み、スカート換装済み、それでいて3300円は破格じゃない?と思い…ずっと悩んだ挙句「どうせいつか欲しくなるだろうから今のうちに確保しておくか」という結論に至り、その翌日に開店と同時に駆け込んで買ってきた次第である。
なお、80型という形式は京阪では2代目にあたるため記事タイトルには80型(2代目)としているが、本文中では以下特筆なき限り80型という表現を使うことにする。
模型について
ジャンク品として売られてたので車両ケースなどは特に付属しない。ビニールに包まれていた。先述の通り動力等は全て付属済み。
模型全体像(上)と、正面から見た図(下)。車番はついておらず、このことから今回購入したのは80型の中でも初期ロットにあたる京阪の事業者限定品と思われる。その後のオープンパッケージのものはちゃんと最初から車番がついている。
形態は2連固定化・冷房化改造・ポールからパンタグラフへの更新が全て行われた1989年以降の形態。80型独特の正面をしっかりと再現しており、その出来栄えは申し分ない。
ちなみにスカートは前オーナーが交換したのか、純正品ではないものが取り付けられていた。純正品と比べてより実車に近い形態になっている…ありがたい。
側面から見た図(上)と、連結面を拡大したところ(下)。妻面が丸みを帯びているため両運転台から改造された81~93の形態だと思われる。
今回の80型は床面高さが低いからなのか、鉄コレとしては珍しく床下機器は流用品ではなく専用品が使われており、その形状や配置は実車さながらのものとなっていた。床下にはいつも通りスミ入れを施工している。
実車は1M方式のため1両に一連の機器を全て搭載しており、そのため機器配置は全車とも同一となる。
実車の写真を見ても抵抗器だけがどこにも見当たらないのだが、一体どこに積んでいたのだろうか…実車は永久直列の抵抗制御+他例界磁制御の組み合わせ(所謂界磁位相制御)だし、回生失効に備えて発電ブレーキも搭載していたので抵抗器は絶対必要なはずなのだが。
上から見た図。連結面側から順に冷房用SIV・ツナギ箱・冷房装置・パンタグラフ、となる。
パンタグラフ。TOMIXのPS16系列と思われるものがついており、その動作には全く問題がなかったものの、実車はPS16系列は搭載していない…恐らく前オーナーが間違えたか、当時使えそうなパンタグラフがなくやむを得ず代用したものだと思われる。
そこで私はGMのPT42Nに2両とも換装した。TOMIXのPT-4212-Sでも良かったのだが、路面電車という特性上通常の鉄道車両よりパンタグラフを高く上げて走行するということを考えるとGMの方が向いていると思われる。見栄え的にも差し支えない。
取り付け穴は位置的には文句なかったが、ちょっとゆるかったのでゴム系の接着剤で接着。
動力について
今回の80型は外観的には大丈夫だしジャンク品としては割と大丈夫な方だろう…と思っていたが、思わぬ所で問題が発覚。動力だった。
具体的に言うと、一通り清掃を済ませていざ試運転してみたところ、集電不良等は特に見受けられなかったのだが、2両連結状態で動力車側を先頭とすると空転が発生してまともに進まなくなるし、逆方向にするとブルブル振動してしまうのだ。
分解してみたところ、なんと私の一番嫌いな片台車駆動という事実が発覚。後々わかったのだが今回の80型には純正のTM-TR05ではなく、TM-TR01をアルモデルが80型用に改造したものが搭載されており、これは本来単行運転用の路面電車に搭載することを前提としていたものであって、付随車牽引は全く想定されていなかった…もっとも、TM-TR05も片台車駆動ではあるのだが。
とりあえず、死重を付けて粘着重量を稼ぎ走行性能をアップさせることに。
ひとまずホームセンターで鉄コレ用重りの代用となるものを購入、いざ装着…といきたいところだがここでまた問題発生。重りの高さのせいで車体と動力の装着が出来なくなってしまった。
仕方なく、家に余っていた板重りを活用することに。
搭載位置は動力台車の真上に加えて集電板の真下にも搭載し、絶縁のため板重りはマスキングテープで包んでマスキングテープで接着。
ようやく空転・振動共に根絶に成功し、走行には全く問題が無くなった。
総論
当ブログでジャンク品をレビューするのは初めてだと思われる。車体は多少指紋とかも目立つし、動力も当初は問題があったものの、走行性能は改善に成功したし車体の指紋汚れとかも車体の塗装が剥がれない程度に薄め液で洗浄すれば問題は無いかな…と思う。
どのメーカーにも言えることなのだが連結運転するような車両の動力に片台車駆動は止めて欲しい。正直言って論外である。片台車駆動が許されるのは単行運転する路面電車までである。
車番は元両運転台車のみで構成されたペアのうち、最終編成にあたる91-92のペアにしようと思う。前面と側面で車番の大きさ違うのだが、どうしよう…
【入線報告】マイクロエースのED73 22に関するお話。
鳩胸 巨乳 で知られるED72とED73。その独特なスタイリングに私は昔から不思議な魅力を感じ、欲しいと思ってきた機関車の一つでもあった。
そんなある日暇つぶしも兼ねて秋葉原に中古漁りしに行ったら、レールマイスターという店で1650円という破格の値段で売られているマイクロの22号機を発見。
しかもナンバーが黄色に囲われている、所謂「151系牽引対応機」だった。
動力こそ不動だったものの、動力ユニットの分解整備には自信があったのでその場で購入を決意。
店員さんにお願いして試験走行させてもらったのだが…
私:あれ?不動だったはずなのに動いてる…
店員:ホントだ、買い取った時は確かに不動だったのですが…
なんてハプニングもあったものの、何はともあれ購入し自宅で分解整備することに。
模型について
まずは正面から。この角度から見ても鳩胸かどうかは正直分かりにくい。後継機のED76のように見えなくもない。
1000番台化改造前の形態なので20系用のKE72形ジャンパ線などは設けられていない。
ライトはテールランプにもレンズが入っているのかと思いきや、試験走行してもらったところテールライトはモールドのみでレンズは入っていないことが判明。
KATOの1000番台はレンズ入りだしナンバーのフォントもあちらの方が近いので完成度では一歩上だと思っている。まあ古い製品なのであちらと比較するのもどうかとは思うが。
なんだかんだでこちらも実車のイメージは問題なくつかめているように思える。
カプラーはいつも通りSCカプラー対応のTNカプラーに交換している。
続いて斜め及び側面から。この角度で見てみてようやくこの車両がなぜ鳩胸と呼ばれるのか分かるようになる。ゆるいくの字を描いたような独特な正面形状こそがこの車両の最大の特徴である。
造形は少しのっぺりしているようにも見えるものの、表記類などそれ以外の部分についてはKATOやTOMIXの新型電機と比較しても何ら遜色はないと感じている。
貨物列車や20系の寝台特急の牽引のみを想定してかSGも中間台車も装備しないため、兄弟機ともいえるED72より全長が短く、総重量も20tほど軽い。最もその反面軸重は16.75tとED72より高いため、入線可能な線区が鹿児島本線の北九州地区・長崎本線に限られてしまい、この車両の後々の寿命を決定づけてしまったのだが。
ちなみに、屋上高圧機器の墨入れは私が施工したが、側面のルーバーの墨入れは私が施工したものではなく、前オーナーが施工したものである。
ちなみにマイクロのED73、本来乗務員室直下にくるべきの乗務員用ステップが逆側に取り付けられてしまった組立エラーを経験した製品でもある。
マイクロ公式もリコールを発表し修理受付もしたのだが、前オーナーが修理対応してるのを知らなかったのか、それとも修理出すのがめんどくさくてやらなかったのか、そもそも乗務員ステップの位置など一切気にしてなかったのか、エラー対応がされずそのままであった。
今さら修理対応なんてしてないだろうし、走らせてしまえば目立たないから私もそのままにしておく方針だが。
続いて屋上を見てみる。屋上の高圧機器は前オーナーが塗装したのか、それとも元からこうだったのかは知らないが、銅色に色付けされていた。
私はさらにこの上に墨入れを施工する方針である。
パンタグラフは前オーナーの手によって摺り板の部分が銅色に塗装されていた。
そのパンタグラフだが、はっきり言ってしまえばダメダメで、上昇させて正常な形に一々整えてやらなければならないのでめんどくさいし、下降時も歪な形にならないように一々調整してやらねばならない。
何よりもパンタグラフそのものがかなりへろへろで、ちょっとやそっとの事で形が乱れてしまうのではないかと心配になる。私がいつも酷評しているKATOのひし形パンタグラフの方が1000倍はマシなぐらいだ。
あまりにもひどいので近日中に至急TOMIXのPS101へ交換する予定である。よって墨入れも施工していない。
入線当初は一応動力ユニットが動くには動いたものの、あまりいい挙動ではなかったしギヤ周りから「キィィィィ」と不快極まりない騒音が発生。ギヤ・ウォームギヤにそれぞれKATOのユニクリーンオイルを滴下し、ユニクリーナーで一通り清掃したところ問題なく走行できるようになった。
一応フライホイール付きの動力ではあるものの、KATOやTOMIXのそれに匹敵するぐらい洗練された挙動ではない。それでも不動だったものが問題なく使えるようにはなったので良かった良かった。
実車の運用
ED73は基本的に20系の寝台特急や高速貨物列車の牽引を主体としていた。
すなわち、さくら・はやぶさ・みずほ・富士・あさかぜといった東京口からの寝台特急と、コキ10000・ワキ10000・レサ10000等で組成された高速貨物列車を牽引させればいい。「KE72とかないから20系は牽引できないんじゃないの?」と疑問に思う人もいるかもしれないが、20系の110km/h対応改造が施工されたのは1968年以降で、それまでは従来客車同様ASブレーキのみとしていたため何ら問題は無いわけだ。
更に22号機はナンバーを黄色で囲った151系牽引対応機のため、サヤ420を介して151系の牽引もできるし、マイクロから木箱入りの製品で発売されたこともある。KATOの151系とサヤ420の種車も探さねば…
暖房のいらない時期はED72と共通運用を組まれた時期もあったらしいので旧型客車による急行・普通列車も牽引できるとは思うが、未だにED73が旧型客車を牽く写真は見つけられていない。知ってる方情報提供お願いします…(n回目)
まとめ
台車枠取付ミスによる乗務員ステップのエラーや、例によってへなちょこなパンタグラフなど色々問題もある製品だったが、総合的に見てみるとその出来栄え自体は決して悪いものでは無く、何より151系牽引対応機だったので私が鉄道ファンの2007年2月号で見たあの光景を再現できる車両がそろったのはうれしく思う。
さて、次はこいつのお供を探してやらんと…とりあえず151系とサヤ420は必要かもね。
編成美なんて投げ捨てた!?キハ85系を模型で究極まで楽しむ方法③
前回からかれこれ2年近く経ってしまったが…なかなかこの話題に関する結論が出せず、記事が書けずにいた。ほったらかしにしててもしょうがないのでいい加減結論を出そうと思う。
というわけで、最終回となる今回は前回予告したとおりひだ+北アルプスの編成について一通り触れ、それを踏まえて「KATOのキハ85はどういう買い方がいいのか」というのを紹介しようと思う。
読者の皆様方には2年も待たせてしまったことをこの場を借りてお詫び申し上げたい。申し訳ございません…
北アルプスの基本編成
まずは北アルプス単独時の編成について。
キハ8500系はキハ85系と違い、車種は先頭車のキハ8500と中間車のキハ8550しかなく、総製造数もキハ8500が8501~8504の4両、キハ8550に至っては8555の1両のみと少数派。
既にキハ8500登場時は立山直通などは無くなり、置き換え対象のキハ8000も再後期型のキハ8200が5両のみ残存していたという状況だったのでこれでも問題なかったのだろう。
キハ8500系は通常時には上記のような3連を基本編成とし、多客期には必要に応じて1~2両増結し4~5連で運行していた。北アルプス時代に2連での運用実績はなく、2連で運行するのは会津鉄道譲渡後となる。
こちらが5連増結時の編成例…なのだが、いくつか注意しなければならない事がある。
まず、キハ85系と併結する場合だが、先述のとおりキハ85系との併結に対応しているのはキハ8501・8502のみで、増結専用車的な役割が強いキハ8503・8504は対応していない。したがって、キハ85系の貫通型先頭車と連結できるのはキハ8501・8502のみであって、キハ8503・8504を連結させることは出来ないのでご注意を。メカ的には問題ないらしいが、床の高さが合わなくなる…(キハ8501・8502は併結路に段差があり、併結時にはここにスロープを設置する事により床面の低いキハ85系に揃えている)
なお、これより紹介する図はあくまでも一例である。そこら辺はご了承願います。
7連
諸々考慮するとキハ85系+キハ8500系の基本編成は最短でも7連にはなると思われる。
7連はキハ85系4連+キハ8500系3連の構成が基本となるだろう。「キハ85と併結させるのはキハ8501・8502だけ」という事さえ気を付ければ基本的にこれといった制約はない。キハ8550の代わりにキハ8500を中間に組み込んで3連とするのもアリ。
8連
8連はキハ85側に1両増結する場合と、キハ8500側に1両増結する場合に分けられる。
キハ85側に1両増結した例。
キハ8500側に1両増結した例。
注意してほしいのはキハ8500側に1両増結する場合なのだが、キハ8500系は単独運行でもキハ8500系との併結時でも2+2の4連、いわゆるオール先頭車編成を組んだ実例は存在しない。なので4連以上の編成を組む際には必ず中間車のキハ8555が入ることになる。
9連
9連はキハ85・キハ8500双方に1両ずつ増結する場合、キハ85系4連+キハ8500系5連の場合、キハ85側のみ2両増結する場合に分けられる。
キハ85・キハ8500双方に1両ずつ増結し9連とした例。
キハ85系4連+キハ8500系5連の9連とした例。
キハ85側のみ2両増結して9連とした例。
10連
最長となる10連は、まず大阪編成+名古屋編成で構成されたひだにキハ8500の3連を併結して10連とする例がある。
北アルプスは大阪編成との併結実績があり、1995年7月からは運転日により大阪発のひだと併結するようになり、7月からは大阪編成+名古屋編成+北アルプスの3階建て列車の運行も開始されている。
もちろん、それ以外にもキハ85側に1両、キハ8500側に2両増結して10連とする場合、キハ85側に2両、キハ8500側に1両増結して10連とする場合、キハ85のみ3両増結して10連とする場合もある。
大阪編成+名古屋編成+北アルプスの多層建て10連とした例。3+4+3の10連となっている。
キハ85側に2両、キハ8500側に1両増結して10連とした例。
キハ85側に1両、キハ8500側に2両増結して10連とした例。
キハ85のみ3両増結して10連とした例。
結論・キハ85はどういう買い方がおすすめか
ここまで一通り実車の編成例的なものを見てきたが、これらを踏まえた上でKATOのキハ85はどういう買い方がおすすめか書くことにする。
散々悩んだが(?)、私のおすすめは…
基本4両セット×2
増結5両セット×1
という構成で買うことをおすすめしたい。
この買い方だとおそらく当ブログで挙げた編成は全て再現できると思われる。一例として…
・キハ85を3~5両+キハ8500数両でひだ+北アルプスとし、余った5~10両を組み合わせて富山編成入りのひだ、もしくは登場時の南紀編成を組成する。
・単にひだ編成を2本組成する。
・片方を南紀、片方をひだとする。
等々が出来てしまうのである。
注意点だが、2連時の南紀だけはどう頑張っても組成できないのでご注意を。これは車両が足りないとかそういうのではなく、模型の構造上先頭車が動力車でないために走らせられないのだ…
終わりに
今回はキハ85の編成例を中心とし、模型でこれらを再現するにはどうしたらいいのかを自分なりにまとめた…のだがかれこれ2年近くも放置してしまった。読者の皆様大変申し訳ございません…
今後も似たような題材を扱っていくかは現時点ではまだ未定である。書くとしたら次は東北・奥羽線系統の電車急行にフォーカスを当てていきたいところだが、編成例がキハ85のそれとは比較にすらならないほど複雑だってのが予想されるので、まずは十分な資料を集めていくことが必要になる…中野ブロードウェイの古本屋とか色々漁らねば。
【入線報告】KATOのEF61(青)に関するお話。
私は昔から相対的にマイナーな存在が好きだったので、好みが結構特殊になりがちだった。東京~九州間のブルトレ牽引機もEF65-500やEF65-1000よりはEF60-500の方が好きだし、東北・奥羽線系統の急行もED75-0とかよりはED71の方が好み。
当然それは東海道・山陽線系統の急行にもあてはまり、1両ごとに細かな違いがあって沼要素が深いが圧倒的大多数過ぎるEF58よりは、現役時代は(相対的ではあるものの)殆ど見向きもされなかったがより現代的な外観を持つEF61の方が好感が持てた。
そんなわけで新性能直流電機の中で一番好きな形式となったEF61を必死に探そうとしていたのだが…これが中々見つからない。今回紹介するKATOのEF61が発表される前、EF61を製品化していたのはマイクロだけだったが、どの中古売り場を血眼で探しても全然在庫がなく、あったとしても1万は軽く超えており到底手が出せるようなものでは無かった。
そんなわけで途方に暮れていたのだが…ある日なんとKATOが製品化するとの情報を入手。
正直驚きを隠せなかった。どちらかというと国鉄車両全般に強いTOMIXが手を出すか、過去に一度製品化したことのあるマイクロが再生産するかの二択だと思っていたからだ。
何はともあれIMONにて予約。本来3/25に発売予定だったのを直前に延期するなどしたが、程なくして正常通り販売が開始され、こうして迎えることができた次第である。
模型について
今回は付属品自体がとっても少なく、前面用・側面用のナンバープレートしかなかった。ただし今後発売されるであろう茶色はあさかぜ牽引の実績があるので、あさかぜのヘッドマークぐらいはついてくる…と思われる。
車番は汽車製造・東洋電機製造分のトップナンバーである11号機にした。実車は晩年パンタグラフがPS22へ換装され、0番台唯一の下枠交差型パンタとして異彩を放っていた車両でもある。
まずは正面から。最初試作品の画像をTwitterで見たときは「これ銀帯テカテカ過ぎじゃない…?」と心配になっていたが、いざ実物を見てみると全くそんなことはなく、むしろちょうどいいぐらいである。
実車のシンプルですっきりとしつつ、力強さも同時に感じられる顔も惜しみなく再現。正直、正面の造形は見事といっていい。
20系用のジャンパ線などはないためスカートはすっきりしている。「じゃあ牽引できないんじゃないの?」と思われそうだが、20系は95km/h以下の速度域なら元空気ダメ持ちの機関車はどの形式でも牽引できるし、こいつの最高速度は95km/hなので問題はないだろう。
スカートにはスミ入れ、カプラーはTNカプラー化を両エンドとも施工済みである。
斜め・側面から見た図。SG搭載の関係でEF60やEF65などと比べて全長が長くなっており、ルーバーや採光窓の配置もどことなく不自然に間が空いたような独特の配置となっている。
今回発売された青は、形態的にはリンク式駆動化改造後の広島所属車としているので動輪はボックス式動輪とスポーク式動輪が混在している。KATO公式HPでは「一部の輪心がボックス式へ改造された形態を再現」と書かれていたが、一部とは名ばかりで実際は半数程度の動輪がボックス式になっていた。目立ちにくいが。
ちなみに茶色はクイル式駆動時代の宮原所属車なので全動輪ともスポーク式だと思われる。
屋根を見た図。こちらはまだ墨入れなどは特に施工していない。温暖地の直流機だからか屋根上はSG関連の機器以外は特にこれといった特徴はなく、シンプルな構成となっている。
白い矢印で示したところがSGの蒸気を排出する煙突?と思われる。
今回の製品で気に入らないのがパンタグラフ。ED78の時もパンタ降下時の不自然な形態を指摘したのだが、やはり今回も直ってなかった…というわけで近日中にTOMIXのPS17へ換装する予定。そういう事情もあってパンタグラフへの墨入れは摺り板のみ施工している。
実車の運用
この模型を所有するにあたっての最難関は「どの列車と組み合わせるか」になると思う。
今回の製品はあくまで山陽線系統の荷物列車牽引のみを想定しているようだが、はっきり言ってもったいない。やはり花形運用ともいえる旅客運用に充てたいところである。
一応私がGoogleで確認した範囲では、霧島、阿蘇、月光(急行時代)、高千穂、瀬戸(急行時代)、サロンカーなにわ、金星、さつま・だいせん、銀河、東海道・山陽線の客車普通列車、12系の団臨、一般貨物列車、オヤ35とコンビを組んで瀬野八の補機運用、といった事例を確認している。
フォト・パブリッシング発行の『国鉄旅客列車の記録【客車列車編】』には、阿蘇を牽引する1号機、銀河を牽引する6号機の他、車番不明ながら高千穂を牽引する姿も掲載されている。
その他、Googleで確認したところ桜島・高千穂、雲仙・西海、つくしと思われる列車を牽引する写真も見つけたのだが…確証が持てないので断定は一切できない。どなたかEF61の旅客運用に詳しい方いましたら情報提供お願いします…
こうして書き起こしてみると意外と使えそうな列車は多い。駆動系統のトラブルなど何かと悲運なEF61だが、本来はEF58・EF65ほどではないにしろそれなりにマルチな使い方ができる車両だったのかもしれない。
まとめ
相変わらず不自然に折りたたまるようなパンタグラフ、種類が適当すぎるし少なすぎるナンバープレートなど完璧な製品とは言えないが、造形や塗装、そして(試験走行しかしていないが)スムーズな挙動の動力ユニットなど、総合的には満足度の極めて高い製品と評価したい。
何より今までマイクロしか出しておらず入手難だったところに投入してきてくれたのはうれしいところ。
とりあえずさ…ナンバーに1号機ぐらいは入れようよ。4と11はまだ分かるが、9と16はどんな基準で入れたのよ。
余談だが、KATOのEF61製品化が影響しているからか、マイクロのEF61の相場は大暴落状態であり、5000円以下で買えるものも多い。マイクロのクオリティーとかに満足できる人ならば、まさに今こそが狙い目だと思う。