わいらぼ

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【入線報告】KATOのEF61(青)に関するお話。

私は昔から相対的にマイナーな存在が好きだったので、好みが結構特殊になりがちだった。東京~九州間のブルトレ牽引機もEF65-500やEF65-1000よりはEF60-500の方が好きだし、東北・奥羽線系統の急行もED75-0とかよりはED71の方が好み。

当然それは東海道山陽線系統の急行にもあてはまり、1両ごとに細かな違いがあって沼要素が深いが圧倒的大多数過ぎるEF58よりは、現役時代は(相対的ではあるものの)殆ど見向きもされなかったがより現代的な外観を持つEF61の方が好感が持てた。

そんなわけで新性能直流電機の中で一番好きな形式となったEF61を必死に探そうとしていたのだが…これが中々見つからない。今回紹介するKATOのEF61が発表される前、EF61を製品化していたのはマイクロだけだったが、どの中古売り場を血眼で探しても全然在庫がなく、あったとしても1万は軽く超えており到底手が出せるようなものでは無かった。

そんなわけで途方に暮れていたのだが…ある日なんとKATOが製品化するとの情報を入手。

正直驚きを隠せなかった。どちらかというと国鉄車両全般に強いTOMIXが手を出すか、過去に一度製品化したことのあるマイクロが再生産するかの二択だと思っていたからだ。
何はともあれIMONにて予約。本来3/25に発売予定だったのを直前に延期するなどしたが、程なくして正常通り販売が開始され、こうして迎えることができた次第である。

模型について

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今回は付属品自体がとっても少なく、前面用・側面用のナンバープレートしかなかった。ただし今後発売されるであろう茶色はあさかぜ牽引の実績があるので、あさかぜのヘッドマークぐらいはついてくる…と思われる。

車番は汽車製造・東洋電機製造分のトップナンバーである11号機にした。実車は晩年パンタグラフがPS22へ換装され、0番台唯一の下枠交差型パンタとして異彩を放っていた車両でもある。

 

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まずは正面から。最初試作品の画像をTwitterで見たときは「これ銀帯テカテカ過ぎじゃない…?」と心配になっていたが、いざ実物を見てみると全くそんなことはなく、むしろちょうどいいぐらいである。

実車のシンプルですっきりとしつつ、力強さも同時に感じられる顔も惜しみなく再現。正直、正面の造形は見事といっていい。
20系用のジャンパ線などはないためスカートはすっきりしている。「じゃあ牽引できないんじゃないの?」と思われそうだが、20系は95km/h以下の速度域なら元空気ダメ持ちの機関車はどの形式でも牽引できるし、こいつの最高速度は95km/hなので問題はないだろう。

スカートにはスミ入れ、カプラーはTNカプラー化を両エンドとも施工済みである。

 

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斜め・側面から見た図。SG搭載の関係でEF60やEF65などと比べて全長が長くなっており、ルーバーや採光窓の配置もどことなく不自然に間が空いたような独特の配置となっている。
今回発売された青は、形態的にはリンク式駆動化改造後の広島所属車としているので動輪はボックス式動輪とスポーク式動輪が混在している。KATO公式HPでは「一部の輪心がボックス式へ改造された形態を再現」と書かれていたが、一部とは名ばかりで実際は半数程度の動輪がボックス式になっていた。目立ちにくいが。
ちなみに茶色はクイル式駆動時代の宮原所属車なので全動輪ともスポーク式だと思われる。

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屋根を見た図。こちらはまだ墨入れなどは特に施工していない。温暖地の直流機だからか屋根上はSG関連の機器以外は特にこれといった特徴はなく、シンプルな構成となっている。

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白い矢印で示したところがSGの蒸気を排出する煙突?と思われる。

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今回の製品で気に入らないのがパンタグラフ。ED78の時もパンタ降下時の不自然な形態を指摘したのだが、やはり今回も直ってなかった…というわけで近日中にTOMIXのPS17へ換装する予定。そういう事情もあってパンタグラフへの墨入れは摺り板のみ施工している。

実車の運用

この模型を所有するにあたっての最難関は「どの列車と組み合わせるか」になると思う。

今回の製品はあくまで山陽線系統の荷物列車牽引のみを想定しているようだが、はっきり言ってもったいない。やはり花形運用ともいえる旅客運用に充てたいところである。

一応私がGoogleで確認した範囲では、霧島、阿蘇、月光(急行時代)、高千穂、瀬戸(急行時代)、サロンカーなにわ、金星、さつま・だいせん、銀河、東海道山陽線の客車普通列車、12系の団臨、一般貨物列車、オヤ35とコンビを組んで瀬野八の補機運用、といった事例を確認している。

フォト・パブリッシング発行の『国鉄旅客列車の記録【客車列車編】』には、阿蘇を牽引する1号機、銀河を牽引する6号機の他、車番不明ながら高千穂を牽引する姿も掲載されている。

その他、Googleで確認したところ桜島・高千穂、雲仙・西海、つくしと思われる列車を牽引する写真も見つけたのだが…確証が持てないので断定は一切できない。どなたかEF61の旅客運用に詳しい方いましたら情報提供お願いします…

こうして書き起こしてみると意外と使えそうな列車は多い。駆動系統のトラブルなど何かと悲運なEF61だが、本来はEF58・EF65ほどではないにしろそれなりにマルチな使い方ができる車両だったのかもしれない。

まとめ

相変わらず不自然に折りたたまるようなパンタグラフ、種類が適当すぎるし少なすぎるナンバープレートなど完璧な製品とは言えないが、造形や塗装、そして(試験走行しかしていないが)スムーズな挙動の動力ユニットなど、総合的には満足度の極めて高い製品と評価したい。
何より今までマイクロしか出しておらず入手難だったところに投入してきてくれたのはうれしいところ。

とりあえずさ…ナンバーに1号機ぐらいは入れようよ。4と11はまだ分かるが、9と16はどんな基準で入れたのよ。

余談だが、KATOのEF61製品化が影響しているからか、マイクロのEF61の相場は大暴落状態であり、5000円以下で買えるものも多い。マイクロのクオリティーとかに満足できる人ならば、まさに今こそが狙い目だと思う。