わいらぼ

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編成美なんて投げ捨てた!?キハ85系を模型で究極まで楽しむ方法②

寒さ厳しい年末となったが読者の皆様はいかがお過ごしだろうか。

さて、多忙の為長らく投稿できていなかった本特集だが、受験なども一段落したので本日より再開、といったところである。
第二弾となる今回は、いよいよ本特集の本論とも言える「ひだ・南紀の編成パターン」について触れていこうと思う。

…の前に、まずは前回でちょこっと触れたキハ85系の各形式について今一度おさらいしておこう。
要約すると

 
キハ85-0:非貫通タイプの普通先頭車。
キハ85-100:貫通タイプの普通先頭車。トイレ及び貫通幌を持つ。
キハ85-200:貫通タイプの普通先頭車。100番台とは異なり男性用トイレも備えるため定員は100番台より4人少ない56名。
キハ85-1100:上述の100番台に車椅子対応座席の設置や洋式トイレへの更新等を施工してバリアフリー対応としたもの。現在は既に100番台全車が改造されている。
キハ85-1200:上述の200番台に1100番台と同様のバリアフリー対応工事を施工したもの。2020年12月現在キハ85-1209のみが在籍。
キロ85:非貫通タイプのグリーン先頭車。洋式トイレ・男性用トイレ。業務用多目的室・公衆電話を備え、座席はシートピッチ1,250mmの2+1配置となっている。

キハ84-0:普通中間車。車内販売準備室・電話室・自動販売機を備え、トイレはない。
キハ84-200:普通中間車。カウンター付きの車販準備室を備え、当初より車椅子対応。

 キハ84-300:普通中間車:車販準備室も車椅子対応設備も無いため定員は本系列最大の72名。
キロハ84-0:半室グリーンの中間車。車掌室・トイレを備え、座席はシートピッチ1,160mmの2+2配置としている。


もともとキハ85-0・100とキハ84-0・キロハ84はひだ用に、キハ85-200とキハ84-200・300・キロ85は南紀用に製造されたのだが、管理がめんどくさくなったのか 現在ではキロ85がひだの富山編成で、キハ84-300が大阪編成でそれぞれ使われたり、逆に南紀グリーン車が全列車キロハ84に統一されたりと運用上の区別はなく全形式混用されている。
以下、図ではこのように呼称する。

キハ85(非):非貫通型先頭車のキハ85-0
キハ85(貫):貫通型先頭車のキハ85-100・200・1100・1200のいずれか
キハ84:普通中間車のキハ84-0・200・300のいずれか
キロハ84:半室グリーンの中間車キロハ84
キロ85:非貫通型の全室グリーン先頭車キロ85

また、キハ85・キロ85の矢印は編成の運転台の向きを表す。

さて、次からは「ひだ」の編成パターンを見ていこう。

 

ひだの編成パターン

基本編成時


ひだの基本となる編成は以下の5パターンに分けられる。

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名古屋発着の編成(以下、名古屋編成と呼ぶ)は、通常時は基本的に4連が順当され、2・4・9・12・15・17号はキロハ84が連結され、1・10・18・19号はキロハ84無しのモノクラスとなる。
では3連は何かというと、3連のうち富山方面にキロ85を連結しているのが富山編成、3連ともモノクラスかつ大阪方面にキハ85-0を連結しているのが大阪編成である。

ひだは上記の編成を基本とし、4~10連ほどの柔軟な編成構成を特徴とする。
また、自由席は基本的には大阪・富山寄りの先頭車に設定され、増結の際は専ら指定席車が増結される傾向にあり、グリーン車や自由席車が増結される事例は現在まで確認されていない。

なお、本特集ではオール先頭車の編成は取り上げない事にする。というのも、現在KATOから発売されているキハ85系はキハ84に動力を組み込むのを前提にしている模様で、動力組み込みの先頭車は当然製品化されていないし、かといってAssyパーツとして売られているのもキハ84-0・300用の動力ユニットの為、先頭車を加工して動力化するなどして改造しない限り、オール先頭車編成は文字通り編成を「組む」事は出来ても「走らせる」事は出来ないのだ。
本特集では基本的に「極力改造などをせずに可能な限り製品の元の状態で楽しむ」事を前提とする為、改造しなければ自走出来ないオール先頭車編成は省略させていただいた。期待していた方々、ごめんなさい…

 

4連

4連は先述した名古屋編成以外に、所定3連の大阪・富山編成が1両増結で4連になることもある。

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大阪編成は4連増結時、基本的には編成中にキハ84もしくは貫通型先頭車を1両組み込むか、名古屋寄りに貫通型先頭車を増結するかのどちらかとなる。

 

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一方の富山編成も富山側にキロ85、大阪側に貫通型先頭車が連結されている関係で増結車を組み込む位置が大阪編成と異なる事以外は基本的に同一。
4連時にはやはりキハ84もしくは貫通型先頭車を組み込むか大阪寄りに貫通型先頭車を増結するかのどちらかが考えられる。

 

5連

5連は大きく分けて単独運行の名古屋編成に1両増結する場合と、所定3連の富山編成に2両増結する場合に分けられる。先述のとおりキロハ84が増結されることはなく、基本的にはキハ84か貫通型先頭車が増結されることになる。

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上の図は名古屋編成の増結パターンを記したものだが、あくまでも「一例」である。増結位置や増結にどの車両を使うかは完全に読者諸氏の好み、といったところ。
但し、非貫通型先頭車の前に増結することは何らかの運用上の都合がない限り定期列車では基本的に存在しないのでそこら辺はご注意を。

 

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一方の富山編成は、キハ84×2・キハ84と貫通型先頭車・貫通型先頭車×2の3パターンに分けられ、富山側はキロ85なので富山寄りに増結したりはしない。

6連

ひだにおける6連は名古屋編成への増結以外にも、通常時6連の列車が1往復あり、1日4往復の富山編成の内1往復を含む7・14号がそれに当てはまる。

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…感の良い人はすぐ気づくかもしれないが、実は大阪編成と富山編成を併結するだけで再現できてしまうのである。
余談だがこの7・14号、多客期は増結し最大10両にすることを最初から想定しているのか、4~7号車が欠番となっている。

 

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名古屋編成の一例。名古屋編成の増結パターンは非常に多岐にわたる為、一例のみを載せておくこととする。

 

7連

7連もまた、名古屋編成への増結以外に通常時から7連の列車があり、富山編成を組み込んだ3・6・8・11・13・20号と、大阪編成を組み込んだ5・16・25・36号がそれに当てはまる。

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3・6・8・11・13・20号は通常時は上記の通りの編成で、こちらもまた多客期に増結する事を最初から想定しているのか、5~7号車は欠番とされている。

 

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こちらは5・16・25・36号の通常時の編成で、やはり多客期の増結を前提としているのか4号車が欠番となっている。

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名古屋編成の一例。もちろん両端が貫通型先頭車であれば大阪側に連結するのもアリ。

 

8連

8連以上は通常時には存在せず、多客期の増結時のみ出現する。

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 7・14号の中間に2両増結した例。

 

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3・6・8・11・13・20号の高山編成にキハ84を1両増結し8連にした例。

 

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5・16・25・36号の大阪編成に貫通型先頭車を1両増結し8連にした例。

 

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1・10・18・19号の編成中にキハ84を1両、高山側にキハ84を2両と非貫通型先頭車を1両増結し、モノクラスの8連とした例。

9連

9連もまた通常時には出現せず、多客期のみ出現する。

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1・10・18・19号の高山側にキハ84を2両と非貫通型先頭車を1両増結、貫通型先頭車を2両増結し、モノクラスの9連とした例。

 

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5・16・25・36号の大阪編成に貫通型先頭車を1両、名古屋編成にキハ84を1両増結し9連にした例。

 

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2・4・9・12・15・17号の編成中にキハ84を1両、大阪側と高山側にキハ84と非貫通型先頭車をそれぞれ1両ずつ増結し9連にした例。

10連

キハ85系の最長編成となる10連は、やはり基本的には多客期にのみ出現する。

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7・14号の高山編成にキハ84を2両、富山編成にキハ84と貫通型先頭車を1両ずつ増結し10連とした例。

 

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1・10・18・19号の高山側にキハ84を3両と非貫通型先頭車を1両増結、貫通型先頭車を2両増結し、モノクラスの10連とした例。

 

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3・6・8・11・13・20号の高山編成にキハ84を1両、富山編成にキハ84と貫通型先頭車を1両ずつ増結し10連にした例。

 

 

南紀の編成パターン

基本編成時

南紀はひだと違って基本的に7連以上の編成は組まず、最長でも6連が限度である。
2020年11月からは利用客減少を受けて基本編成が2両に変更されているが、その組成にしてしまうと先述のとおりオール先頭車編成となって自走出来なくなってしまうため本特集ではそれ以前の編成のみ扱う事とする。

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登場時のグリーン車はキロ85が組み込まれている為、おそらくこのような編成だったんだろうと推測している。

 

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その後、グリーン車需要の見直しにより2001年にキロ85はひだへ転用され、しばらく南紀の基本編成は3連となり、グリーン車は多客期のみ増結する事となったが、その後2009年よりキロハ84を通年連結するようになり半室ではあるもののグリーン車が復活した為4連に戻り、2020年11月の減車までは上記の編成で運行されていた。

 

南紀はひだと違って両端共に貫通型先頭車で構成された編成は存在しないため、基本的に増結の際は編成中または紀伊勝浦側に1~2両増結する事となる。

 

5連

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紀伊勝浦側に貫通型先頭車を1両増結して5連とした場合。

 

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 編成中にキハ84を一両増結した場合。

 

6連

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編成中にキハ84を一両、紀伊勝浦側に貫通型先頭車を1両増結した場合。

 

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編成中にキハ84を2両増結した場合。

 

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紀伊勝浦側にキハ84と貫通型先頭車を1両ずつ増結した場合。

 

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紀伊勝浦側に貫通型先頭車を2両増結した場合。

 

 

 

 

 

 

 

さて、ここまでひだと南紀の編成例について一通りまとめたが、ここまで読み進めた読者諸氏の中には「なんでひだ+北アルプスの編成が無いんだ!?」という方もおられることだろう。

 

次回は、キハ85の編成を語る上では外せない、ひだ+北アルプスの編成について触れていこうと思う。