わいらぼ

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【入線報告】KATOのED78 1次型に関するお話。

さて、今回は前に紹介すると言っていたKATOのED78に関して書いて行こうかと思う。

ED78について簡単に説明すると、奥羽線板谷峠区間用の機関車として1968年から製造された車両であり、本業として板谷峠区間での本務機・補機運用に従事しつつ、副業として仙山線の旅客・貨物運用もこなしていた機関車である。
同じく東北地方を職場としていたED75に比べると相対的にマイナーな存在であるためか知名度はそんなに高くない(?)ものの、実車は最終増備分の12・13号機が仙山線の落ち葉掃き用として2000年12月まで在籍しており、意外と長生きしている。

模型について

今回購入したのは正面窓にデフロスター(曇り止め)あり・内はめ式のテールライトをもつ1~9号機までのグループである。実はED78は他形式と違って「1次型」「2次型」といった明確な区分がなく、試作機の901・1~9・10~11・12~13号機、といった分類がされている。

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私は重連出来るなら重連の形態で運用することを基本としているため、2両購入した。

 

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まずは1エンド側から。本製品は20系牽引用にブレーキ指令用のジャンパ線KE72Hを装備した形態となっており、スカート両端にKE72Hの表現がなされている。

私がTOMIXのEF71を購入しなかった一番の理由でもある。電気暖房表示灯がないのもマイナス点だったが、なによりこのKE72Hがないので牽引できるのがキハ80系列もしくは旧型客車程度に限られてしまうわけだ。その点こちらはちゃんと再現されていてありがたい。

スカートのジャンパ線周りはタミヤのスミ入れ塗料(ブラック)を使って汚している。こうするだけで引き締まった印象になるし、実感的にもなるので私は所有する模型車両全車には必ずスミ入れを施工している。

ナンバープレートは3・4・6・9号機しかなく、それ以外が入って無かったのでレボリューションファクトリーのものを別途購入して片方は1号機とした。本来はもう片方を2号機にしたかったが構造上出来ず、やむなく3号機とした。出来なかった理由については後述する。
3号機なら純正のナンバープレートが使えるのでそちらを使った。初めてのエッチングパーツということもあり切り取りから接着まで少々苦労した1号機とは違って、3号機は構造上接着剤なしで取り付けられるため楽…と思ったのも束の間。前面は良かったが側面が中々ハマらず結局苦労の度合いは同じぐらいだった…

 

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続いて2エンド側。こちらはジャンパ線の取り付けにかなり苦労した。

2エンド側も1エンド側同様スミ入れを施工している。手すりや信号炎管などは最初から取り付け済みだったためこちらから特に手を加えたりはしなかった。

 

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続いて側面。ED78は路盤の貧弱な仙山線(現在は強化工事施工済み)入線のため軸重を抑える目的で無動力の中間台車を装備している他、奥羽線板谷峠仙山線作並トンネル周辺の急勾配対策として抑速回生ブレーキ用の機器も搭載しているためD型ながら全長は17.9m(試作車の901は17.6m)とEF64の0番台と同等の全長に達しており、より大型のEF71(全長18.5m)と比較しても、数値上はともかく実際に見てみるとあまり差が無いように見えるほど。

ルーバーにはやはりスミ入れを施工している。東芝・三菱で製造を分担したEF71とは違い、ED78は製造年次に関わらず全機とも日立製のためだからか、メーカープレートも最初から取り付け済みとなっている。

 

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形式問わず個人的にKATOとTOMIXの電機で一番差が出るのは屋根上の交流機器だと思う。碍子を別パーツとし高圧線は真鍮線?で表現するKATOと、碍子・高圧線共々プラスチックで一体整形するTOMIXとでは好みが随分激しく分かれているようである。

私は真鍮線むき出しが気に入らなかったのでスミ入れ塗料で汚してしまった。確かにTOMIXのプラスチック一体整形は安っぽく見えるし強度面でも不安があるのは事実だけど、この世のどこに黄金色の高圧線装備した車両がいるんだよって話ですわ。

 

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付属品としてはナンバープレート、「あけぼの」・快速「かもしか」用のクイックヘッドマーク、KATOカプラー2つ、既に取り付け済みのため写真には写っていないがジャンパ線、の4種が付属している。

良いところ・悪いところ

基本的なクオリティーは素晴らしく走行も極めてスムーズ…だが悪い点も何個か見受けられる。

 

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その1つがパンタグラフ。実物のように完全に折りたたもうとすると片方が浮き上がってきてしまって完全に折りたたむというのが出来ない。「何をそんな些細なことでいちゃもんつけてんだか」と思われるかもしれないが、実際ならまずありえないことである。

 

クイックヘッドマークに関しても高い評価を下すことは出来ない。というのも強度面に著しく不安があり、ちょっと車体を取り外そうとしただけでもポロッと取れてしまうのだ。

 

そういえば「2号機にしたかったけど構造上出来なくて3号機にした」ということは先述したと思うが、実はED78は1973年以降、地上の変電所設備などの改修により誘導障害対策として搭載していた高調波フィルターを使用停止としており、2号機は撤去試験に共された関係で床下機器が撤去されている。今回の製品はもちろん床下機器ありの形態としているためそのまま2号機とすると時代設定がかなり限定されてしまう。

「ならば床下機器を撤去すればいいのでは?」と思った人、ちょっとこれを見てほしい。

 

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ご覧のとおり床下機器が中間台車の取付部を兼ねており、そのまま撤去すると中間台車を取り付けられないのだ。

なぜこんな構造にしたのか理解できない。正直私としては欠点の一つだと思う。左右のダイキャスト部の結合を強化するために補強パーツとしてこういう構造にしたのか?

 

ナンバーの設定もいい加減すぎると思う。3・4・6・9号機というのは一体何を基準にして設定したのか分からない。今回は再生産分なので前回とナンバーの被りを無くすためかと思ったのだが、前回分から一切変わっていなかった。

総評

最近板谷峠にハマり始めたこともあり、今回のED78はずっと待ち望んでいたので購入して結果的には大満足しているものの、いくつかダメな点も見受けられるのでその辺は自分でどうにかできるところを中心に改良していこうと思う。

 

製品と直接的な関係はないが、1月分の新製品といい、6~7月の新製品といい、最近のKATOのマーケティングに関しては「最悪」としか表現のしようがない。今回ED78を再生産するにあたってもなぜか相方のEF71は再生産せずラインナップとして中途半端な形で終えてしまった。「50系あるからいいだろ」と言われるかもしれないが、その50系はライトスイッチの為に座席2脚を潰したりとそもそも製品として最悪な出来としか言わざるを得ない状態である…

Twitterで683の4000番台のバリエーション展開などを根拠に「最近のKATOのマーケティング担当は頑張っている」なんてとんでもない擁護意見を見つけてしまったが、これらの先例を考えると常識的に考えて「マーケティング担当が頑張っている」なんて意見は普通出ないはず。頑張ってんだったら701系とか東京メトロシリーズを中途半端に終わらせたり四国のバリエーション展開をサボって2000とN2000を孤立させたりはしないはずだが。

 

かといって他社がマシかというとそうとも言えない。TOMIXとマイクロは完全にやる気をなくしたのかパッと目を引く製品がなくなってきているし、品質と価格が一切釣り合っていないGMは論外。

どの模型メーカーを見渡しても正直いい加減すぎるように思える。困ったことだ…